Nicotto Town ニコッとタウン

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硝子細工の敬礼

降りしきる雨は、
俺たちの間に透明な壁を築き上げる。一人が去り、一人が残る。
その残酷な境界線に立ち、
使い古された、さよならの準備をしながら
私たちは 初めましてと微笑み合う_名前など、この波飛沫の中に捨てていけ。
振り向くな。
その背中に向ける言葉は、この海に溶ける塩よりも苦い。「初めまして」そ...

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境界線のマナー

重たく湿った空気を切り裂き、
遠くで霧笛が低く唸りを上げる。
視界を奪うほどの白濁した夜、
俺たちの足元を、容赦しない雨が黒く塗りつぶしていく。ポケットの中で、
宛名のない_さよなら_を言う準備をしながら私たちは_初めまして_と微笑み合う名前など、波にさらわれる砂粒に等しい。過去を語れば、この雨はさ...

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灰色の微笑

時計の針が、残酷なほど正確に夜を削りとっていく。
俺たちは、使い古されたトレンチコートの襟を立て、
まだ見ぬ明日の欠片を探していた。胸の奥では、
いつか訪れる「さようなら」を言う準備をしながら、
俺たちは今、「初めまして」と微笑み合う。それが、この街で生き残るための、唯一の作法だからだ。差し出された...

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濁った琥珀の底で

使い古したトレンチコートの襟を立て
俺たちは、雨の降り出しそうな空を睨む。ポケットの中には、
宛名のない「さようなら」が
コインのように指先に触れている。それでも、差し出された手の温もりを
知らないふりをして受け取るわけにはいかない。「初めまして」その一言に、
すべての過去を葬り
すべての未来を諦め...

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氷の溶けきる前に

グラスの底で
氷が痩せていく音がした
それがこの街の
唯一の誠実な告白だった煙草の煙が
天井の染みに吸い込まれる
消えていった奴らの
行先をなぞるように正義なんて言葉は
バーボンの安酒と一緒に飲み干した
喉を焼く熱さだけが
俺が生きている証拠だ「愛してる」よりも
「明日の朝まで生きていろ」
そんな無...

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