Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



便利すぎる日々のなかで

便利すぎる日々のなかで、
君たちは、何を汗ばんでいるのだろうか。
指先一つで世界が繋がるその前に、
隣にいる人の震える肩に、
気づけているだろうか。綺麗に整えられた、安全な場所。
そこで、傷つくことを恐れて、
感情を冷凍保存してはいないか。
平和は、空から降ってくるものではなく、
誰かの、言葉になら...

>> 続きを読む


不器用な足跡

便利になったな、お前さんたちの世界は。
指先ひとつで何でも手に入り、
会わなくても誰かと繋がっているような気になる。
だが、その速さの分だけ、
何か大事なものを置き去りにしてはいないか。効率よく生きるのが、そんなに偉いことか。
無駄を省き、最短距離を走ろうとして、
道端に咲く花の匂いも、
隣を歩く者...

>> 続きを読む


震える指、透明な遺言

列車の隅、あいつのコートのポケットから
滑り落ちたのは、汚れた一通の封筒だった
表書きには、俺の名が――不器用な、あいつらしい筆跡で。「これを読んでいるなら、あなたはきっと独りね」
最初の一行で、視界が歪んだ。
音を立てて崩れ落ちる。『自分を責めないで。あなたが背負った闇も、
ジタンの煙の匂いも、私...

>> 続きを読む


名もなき花束を

ガタつく車輪が、心臓の鼓動と重なる
冷え切った座席の横、そこには
あいつが好きだった、安物のカサブランカが揺れている「俺に関わるな」
突き放したあの日、あいつが見せた無理な笑顔
その裏側にあった孤独を、俺はジタンの煙の匂いで塗り潰した
守るために離れたはずが、失うことでしか守れなかった窓の外、夜明け...

>> 続きを読む


午前3時の終着点

誰もいない、いや、私以外は。
通路の絨毯は汚れ、薄明かりが乗客の孤独を照らす。
午前3時。時計は止まっているわけではないが、
この場所では時間が意味をなさなかった。窓に張り付いた黒い夜。
雨が描く流線型の迷路、
私の行き先を尋ねても、鉄の車輪は黙って刻むだけだ。バー・カウンターに瓶の影。
安いバーボ...

>> 続きを読む





Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.