風のやうに 夕暮れはやつてくる
しづかに しづかに 部屋をみたし
ひそやかな影を 床にひろげる
わたしはただ 窓辺にたたずみ
遠い森の 紅(あか)い燃えさしを見つめるガラス窓に ひたいを押しあてれば
ひんやりとした かなしみが伝はる
あのひとひらの あかい木の葉は
いまごろ どこへ流れていつただらう...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
風のやうに 夕暮れはやつてくる
しづかに しづかに 部屋をみたし
ひそやかな影を 床にひろげる
わたしはただ 窓辺にたたずみ
遠い森の 紅(あか)い燃えさしを見つめるガラス窓に ひたいを押しあてれば
ひんやりとした かなしみが伝はる
あのひとひらの あかい木の葉は
いまごろ どこへ流れていつただらう...
しづかな森の小径(こみち)をゆけば
木々はひそかに色をかへて
ひかりのなかに 燃えあがる
それはまるで 遠い日の
わたしたちの つぶやきのやうにあかい葉が ひとひら またひとひら
やはらかな風にさそはれて
わたしの肩に 舞ひおりる
ああ あなたはどこにいるのだらう
あのなつかしい眼差しを おもひだす...
かきつばたの咲く庭を歩けば
空は澄みわたり ひかりは風にふるへる
ああ そのやうにして
あなたの面影はいつもわたしのこころのなかに
ひとひらの紅(あか)い花びらを落としてゆく秋風がひそかに戸をたたくとき
木々はあざやかに その葉をそめて
燃えるやうな夕暮れをむかへるのだ
わたしたちは遠い雲を見あげて...
ドアのベルが、真鍮の乾いた悲鳴を上げた。
外は雨だ。それも、俺のシャツの襟まで冷たく湿らせる、最低の雨だ。
煙草の煙がバーボンの琥珀色の水面に溶け落ちる。ジュークボックスの針が落ち、くぐもったコルネットの音が空気を切り裂く。
セントルイスの夜だ。ミシシッピの風が、路地に迷い込んだ孤独な犬のように吠え...
ネオンの文字が、いくつか死んでいる。
「D I N E R」の文字だけが、潮風に震えながら赤い光を放っていた。
窓の外は、真っ暗な太平洋だ。
打ち寄せる波の音が、重低音のドラムのように足元を揺らしている。店内のジュークボックスから流れるのは、やはりジャック・ティーガーデンだ。
彼のトロンボーンは、ま...