Nicotto Town ニコッとタウン

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哀歌 アランフエス

雨が、都会の乾いた喉を潤すことはない
ネオンの飛沫を撥ねる舗道で、俺は安煙草に火をつけた
遠くのバーから漏れ聞こえるのは
あの男が爪弾く、古ぼけたギターの調べアランフエス
かつての楽園は、今や硝子の破片となって胸に刺さる
かき鳴らされるラスゲアードは、弾丸よりも鋭く
静寂を切り裂き、忘れ去ったはずの...

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暁の波止場2

錆びついたクレーンが 天を指して凍りつき
海鳴りだけが 誰かの弔いのように響く
消え残る街灯は アルコールの切れた網膜に痛く
俺はただ 最後の一本に火をつけた昨日の友は 冷たいコンクリートの底で眠り
明日の敵は 水平線の向こうで牙を研ぐ
トレンチコートの襟を立てたところで
魂の隙間を抜ける 湿った風...

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暁の波止場

潮騒に混じるのは、安煙草の煙と湿った鉄の匂い。
消え残る街灯が、石畳に這いつくばる影を長く引き延ばしている。別れの言葉は、夜の帳の中に置いてきた。
ただ、コートの襟を立て、水平線の彼方が白むのを待つ。波止場の杭(ボラード)に足をかけ、
冷え切った指先をポケットの奥で休めた。
孤独の味は、昨夜の安ウイ...

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孤影 ― 砂の礼節 ―

夜が深まるにつれ、世界は平坦になってゆきます。
私を包むこの空気には、もう何の湿り気も残されてはおりません。
ただ、乾いた風が、私の頬を他人事のように撫でていくだけです。かつて守ろうとした約束も、いつか流したはずの涙も、
すべては遠い砂漠の出来事のように思われます。
私には、誰かを恨むほどの熱も、
...

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孤影2

午前二時のアスファルトは、
嘘をつくには冷えすぎている。
街灯が投げ捨てた乏しい光が、
俺の影を、路上の水溜まりに沈めた。火をつけたばかりの煙草は、
苦い現実の味がする。
喉を焼く煙を吐き出し、
消えかけたネオンの瞬きを数える。救いなど最初から求めていない。
背負った過去は、脱ぎ捨てられない安物のコ...

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