Nicotto Town ニコッとタウン

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眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

虚蝉 雨の降る 遠い町で

遥かな町に 雨がしずかに降っている
雨はしずかに 灰色の屋根に降っている
僕はひとりで 古い窓から外を見て
お前の残した 薄い殻を見つめているあの夏(懐かしい夏)の 光のなかで
お前の歌った 小さな歌はどこへ行ったか
しずかに しずかに 雨は降りつづけ
すべては遠くの 川へ流れて行ったのか窓には 冷...

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雨の降る遠い町で――虚蝉に

はるかな町に 雨がしづかに降つてゐる
瓦のやうに灰色の 見知らぬ屋根たちの下
僕はひとりで 古い窓から外を眺め
おまへののこした うすい殻を手のひらに載せてゐるあの夏の日 光のなかで啼きしきつたおまへの
小さなうたは いまはどこへ行つてしまつたか
この濡れた舗石(しきいし)のうえを 流れる水のやうに...

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狂おしい海と、すました月 2

月の眼窩から滴る、白い影見上げる盲目の月もまた、その静寂を破り、異形を覚醒させます。逆さに垂れ下がる影天の白眼の、ひび割れた輪郭から、どろりとした白濁色の糸が、蜘蛛の糸のように幾条も垂れ下がる。その糸の先端には、首のねじ切れた、着物姿の女のような影が、逆さ吊りのまま揺れている。降下する虚無女の影は、...

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狂おしい海と、すました月

僕は今、ひとり夜の海岸に突っ立って、ただもう、ぼんやりと海を眺めているので足元で、真っ黒な海水が、まるで狂った巨大な蛇のようにのたうち回っている。それは僕の胸のなかの、醜い自意識の渦そのもののようで、見ていて吐き気がする。激しくぶつかり合い、泡を噛み、お互いを裏切りながら崩壊していく波の群れ。それだ...

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忘れな草の夏

青い小さなともしびが
ひっそりと 野原のすみにともる。
それは、あなたがのこしていった
わすれな草の、かなしい瞳。風はわたしたちのあいだを通り、
かすかな記憶のにおいをはこぶ。
光のなかにとけてゆく日々を、
わたしはただ、じっとみつめていた。あつい夏の日の ひるさがりに、
あなたは遠い雲の峰をゆびさ...

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