一歩踏み込めば、湿ったゴミと絶望が混じり合った、特有の死臭が鼻を突く。
そこには、博士の言う「自己責任」という言葉で
皮を剥がれ、骨までしゃぶり尽くされた弱者たちが転がっている。視線の先、高級なスーツを泥で汚した「教育者」がいた。
昼間は教壇で道徳を説き、夜はこの暗がりに
歪んだ性欲をぶちまけに来る...
一歩踏み込めば、湿ったゴミと絶望が混じり合った、特有の死臭が鼻を突く。
そこには、博士の言う「自己責任」という言葉で
皮を剥がれ、骨までしゃぶり尽くされた弱者たちが転がっている。視線の先、高級なスーツを泥で汚した「教育者」がいた。
昼間は教壇で道徳を説き、夜はこの暗がりに
歪んだ性欲をぶちまけに来る...
コートの襟を立て、
重い防音扉を背中で押し開ける。
途端、生温かい雨が頬を叩き、
街が吐き出す腐った呼吸が肺を満たした。遠くで響くサイレン、
止まない罵声と、鈍い衝突音。
「平和」や「秩序」なんてのは、
この喧騒(ノイズ)の中じゃ、聞き取れもしない。あそこでうずくまる若者も、
高架下で乾杯する亡者た...
「そんなに震えて、どうなさいました?
あなたの仰る『美しい日本』や『自己責任の果ての成功』というやつは、
この程度の雨で流れてしまうほど、脆いものだったのですか。少し窓の外を見てください。
あそこの暗がりでは、教室という名の密室で
子供たちが『殺人』という名の遊びに、今日も明日を奪われている。
教壇...
この街の吹き溜まりには
「格言(ことわざ)」を食って生きている
博識ぶった寄生虫がよく似合う奴はまた カビの生えた智慧を
安物のソーダ割りで流し込み
したり顔で 人生の攻略法を説いている「止まない雨はない」だと?
笑わせるな 博士
あんたがそう宣っている間にも
路地裏じゃ 降り続く雨の中で
息絶えて...
外はひどい土砂降りだ
天がこの街の罪を
洗い流そうと躍起になっているカウンターの隅
隣の男が酔いに任せて
「世界は変えられる」と宣(のたま)う
その声は 氷が溶ける音より軽い綺麗ごとってのは
ここじゃただの 質の悪いジョークだ
磨き上げられたバックバーの鏡に
映る自分を直視できない奴が
間に合わせに...