あかるい窓を ひらいておけば
五月の風は ひたひたと満ちて
机のうえの ガラスの瓶に
青い火をともす 花があったそれは うたをうたふには
あまりに しづかすぎる色をして
過ぎゆく時間の きらめきのなか
誰かの溜息を 吸ひこんでいる忘れたいことが あるわけではなくて
ただ おぼえていることが かなしい...
あかるい窓を ひらいておけば
五月の風は ひたひたと満ちて
机のうえの ガラスの瓶に
青い火をともす 花があったそれは うたをうたふには
あまりに しづかすぎる色をして
過ぎゆく時間の きらめきのなか
誰かの溜息を 吸ひこんでいる忘れたいことが あるわけではなくて
ただ おぼえていることが かなしい...
だれも乗せない しずかな鋼(はがね)のからだが
風に吹かれる 草の海をゆらしてゆく
銀のレエルは 天の河へと つづいて
星屑を ひとつぶずつ 窓辺にこぼした石炭の火は 遠いむかしの 夢のなごり
錆びたバルブは やさしい溜息をつく
もう どこへも急ぐ必要はないのだと
機関車は 夜の深みに 身をまかせて...