奈落の淵のドゥーシャ
- カテゴリ: 小説/詩
- 2026/08/22 10:53:12
Ⅰ. 凍てつく肉体と、剥き出しの冬名前もなき街の、光も届かぬ地下室の片隅
すり切れた毛布は、飢えと寒さを防ぐ盾にはならず
凍てついた窓に映る己の顔は、幽鬼のように痩せこけている
病(ボレズニ)という名の目に見えぬ怪物が、肉体の内側を蝕み
貧困(ベードノスチ)という名の冷酷な監視兵が、出口を塞いで立っ...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
Ⅰ. 凍てつく肉体と、剥き出しの冬名前もなき街の、光も届かぬ地下室の片隅
すり切れた毛布は、飢えと寒さを防ぐ盾にはならず
凍てついた窓に映る己の顔は、幽鬼のように痩せこけている
病(ボレズニ)という名の目に見えぬ怪物が、肉体の内側を蝕み
貧困(ベードノスチ)という名の冷酷な監視兵が、出口を塞いで立っ...
紅い三日月が 冷ややかに夜の端を飾り
遠い一本の道は ただ暗澹と前方に伸びてゐる
私は独り 吹き抜ける風のなかを歩みながら
遥かな街に残してきた あなたの面影を想ふ見上げる天空には 幾千の冷たい星の瞬き
まるで失われた日々の 破片が凍りついたやうに
丘の向こうに 微かな宿の灯りが見えるのに
私の足取...
見上げる空に ただ一つの歪んだ光
紅い三日月が 冷ややかに凍てついてゐる
私の前には 遙かに続く一本の道
どこへ辿り着くかも知れぬ 寂寞の夜のなかを草の海は暗く沈み 風の溜息ばかりが聴こえる
私はただ 独りで歩みを運んでゐるのだ
かつて誰かと分かち合つた 温かな記憶さえ
この冷徹な光の底では 幻影の...
神は我らを泥から創り、
その胸に、天使の歌う「理想」の星を埋め込んだ。
これこそが、人間に与えられた最初の呪いだ。
私たちは鳥のように飛ぶことはできず、
獣のようにただ地を這うだけで満ち足りることもできない。どれほど崇高な人道を語ろうとも、
胃袋がすけば他者のパンを奪い、
恐怖に駆られれば隣人の胸に...
若き兵士の冷え切った懐(ふところ)から、
くしゃくしゃに丸められた一通の紙片が現れる。
それは、私が教えた文字で綴られた、母への便り。
だが、その素朴な言葉の半分は、
彼の胸から噴き出した、鮮烈な血によって覆い隠されていた。『お母さん、こちらはもうすぐ冬が来ます。
毎日、先生の言った「美しい祖国」...