ストロベリームーンの森
- カテゴリ: 小説/詩
- 2026/06/07 08:44:17
それは誰が残したともしれぬやさしい夢のあと
草の葉のうしろで ひそやかにささやく夜
森の梢はそよぎ あわい薔薇いろの月は
しづかに澄んだ空をわたつてゆくもう帰ることのない日々の美しい面影を
このみづみづしい光がふたたび照らしだす
風はかなしげに木々のあいだを吹きぬけ
私はただ立ちつくして みつめてい...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
それは誰が残したともしれぬやさしい夢のあと
草の葉のうしろで ひそやかにささやく夜
森の梢はそよぎ あわい薔薇いろの月は
しづかに澄んだ空をわたつてゆくもう帰ることのない日々の美しい面影を
このみづみづしい光がふたたび照らしだす
風はかなしげに木々のあいだを吹きぬけ
私はただ立ちつくして みつめてい...
低音の鍵盤が、ぽつり、ぽつりと、夜の深さを刻むように鳴る。
それはまるで、暗い水面に落ちる雨のしずくのようだ。右手がそっと、高い音を拾い上げる。
かすかで、消え入りそうな、ひとつの旋律。
ペダルを踏み込んだままの、長い残響が、部屋のなかに白い霧のように広がっていく。激しい和音はない。
ただ、音と音の...
壁のひび割れから零れ落ちた
微かな光の粒子たちは
いつしか部屋を満たすプラネタリウム針がそっと溝をなぞれば
蓄音機からあふれ出す
セピア色の静かな音楽開け放した窓からは
寄せては返す波の音が
柔らかな低音(ベース)のように響いている
海と音楽が溶け合うこの部屋で
私たちは毛布を分け合い、ただ耳を澄ま...
壁のひび割れから零れ落ちた
微かな光の粒子たちは
いつしか部屋を満たすプラネタリウムその光の海を泳ぐように
古いレコードから零れだす
名前も知らない静かな音楽ピアノの単音がひとつ、ぽつりと爆ぜて
暗闇に新しい星座を描き出す
チェロの低い震えは
そっと部屋の床を毛布のように浸していく言葉をなくした私た...
きらきらと輝く
言葉の箔を全身にまとい
あなたは今日も
誰かのための正論を歌う耳に心地よいその節回し
誰も傷つけないその建前
まるで美しく仕上がった
工芸品のショーケースけれど
少し風が吹けば
あなたの言葉はかるく乾いた音を立てる
中身のない
張り子のカラスのように「私たちは」「社会は」「未来は」
...