ひとひらの言の葉が空に舞ひあがり
つめたい風はそれを遠くへはこぶ
森の葉はさやぎ 草はひそかに囁き
言霊は光のなかでやはらかく息づくおまへが口にしたちいさな祈りは
いつしかひかりの環(わ)となってひろがり
しづかな夕べの空にむすばれてゆく
なみだのあとには美しい虹がかかるやうに私はただ 窓辺によりか...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
ひとひらの言の葉が空に舞ひあがり
つめたい風はそれを遠くへはこぶ
森の葉はさやぎ 草はひそかに囁き
言霊は光のなかでやはらかく息づくおまへが口にしたちいさな祈りは
いつしかひかりの環(わ)となってひろがり
しづかな夕べの空にむすばれてゆく
なみだのあとには美しい虹がかかるやうに私はただ 窓辺によりか...
ひとつの言の葉をちぎつては風に放つ
それは青い空の涯にきえてしまふのだらうか
それとも誰かの耳朶をかすめて
遠い日の記憶をふたたび蘇らせるのだらうかわたしはまつすぐに歩きつづけていた
いつかのやうに夕映えのなかで口笛を吹きながら
道は草に埋もれ 雲はちぎれてながれ
すべてはうつろふ影のやうであったの...
1
もう どこへもゆくことができない
深いみどりは 夜の底のように暗く
ぼくのからだを つめたく包みこむ
ここは 光のわすれていった終着駅耳をすましても 風の音さえ絶えはてて
ただ ぼくの胸のふるえだけが響いている
すべては失われ すべてのひとは去り
ぼくはひとり 生きる形をなくしていた2
霧のむこ...
★昭和初期の文語調の文体で★
それは誰が遺せしやさしき夢の跡ならむ
草の葉のうしろにて ひそかにささやき交はす夜
森の梢はそよぎ あはき薔薇いろの月は
しづかに澄める空を わたりゆくなり森の奥の 見知らぬ小さきくぼみには
名もなき白き花の ひっそりと咲きてあれ
あわき紅の月ひかりを浴びて
その花びら...
森の奥の 見知らぬ小さなくぼみで
名もない白い花がひっそりと咲いている
あわい紅いろの月のひかりを浴びて
その花びらは まるで夢のようにふるえている梢のやみでは 一羽の小鳥が
あたたかい夜の風に かすかにつぶやく
あれは失われた季節をなつかしむうたか
それとも 明日の旅立ちを告げるおとずれか私たちは...