Ⅰ
光は こぼれる雲のすきまから
みどりの若葉の あわい手のひらに
ぼくらはそこへ ゆかうとしていた
まだだれも知らない 四月のあの森へいまや季節は 五月のあかるい扉をひらき
森の奥深く 光のしづくをあつめてゐる
おまへがそっと 指さしたその先に
青いまたたきを交はす 小さな小川のせせらぎⅡ
さらさ...
Ⅰ
光は こぼれる雲のすきまから
みどりの若葉の あわい手のひらに
ぼくらはそこへ ゆかうとしていた
まだだれも知らない 四月のあの森へいまや季節は 五月のあかるい扉をひらき
森の奥深く 光のしづくをあつめてゐる
おまへがそっと 指さしたその先に
青いまたたきを交はす 小さな小川のせせらぎⅡ
さらさ...
光は こぼれる雲のすきまから
みどりの若葉の あわい手のひらに
ぼくらはそこへ ゆかうとしていた
まだだれも知らない 四月のその森へそよ風がひとしきり 梢(こずえ)をゆらせば
見えない小鳥の うたふ声がきこえる
おまへは小さな日傘を ひろげながら
ぼくのしづかな足音に 耳をすます夢みたものは あかる...
五月の太陽は、あまりにまぶしくて
あつく、あつく、白い舗道を灼いてゆく
けれど、ぼくの指先はなぜだろう
冷たいガラスのように、ずっと凍えている青葉のすきまから零れるひかり
それは、かつて君と見た夢の破片
あまりに鮮やかな、この季節のなかに
ぼくはもう、君の影を見つけられない「五月の風をクリームにして...
五月のあつい太陽が 青葉を灼き
白い舗道を まぶしく照らしだす
けれどぼくの部屋の 小さな窓には
冷たい孤独の影だけが 落ちているあの日 君と見た夢の破片のように
光の束が ガラスの器にみちてゆく
そよ風をクリームに仕立てる その前に
ぼくの指先は かすかに震えているつよすぎる光は 哀しみを連れてき...
風はかすかに 僕の髪をすぎてゆき
夜の窓べに 青い影をおとしている
遠い国からとどく 便りのやうに
海はただ しづかな記憶をくりかへす誰もいない渚で 星たちはまたたき
古いオルゴールのやうに 波が鳴る
僕はうつとりと その歌をききながら
すぎてゆつた日々を そつと数へてゐるあゝ あそこにあるのは 小...