Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



灰色の雨、午前四時

トレンチコートの襟を立てても、
吹き抜ける夜風は防げない。
使い古されたライターの火が、
一瞬だけ過去を照らして消えた。影を背負い、石畳を歩く。
誰かを追いかけるためではなく、
ただ、重すぎる記憶を置き去りにするために。かつての誓いは、安酒の酔いと共に溶け、
真実は、遠くで鳴り響くサイレンの音に掻き...

>> 続きを読む


真実の月

お前が追い求めたその熱は
陽炎(かげろう)のようにただ揺れているだけだ
握りしめた拳の中には
最初から、一粒の塵も入ってはいない欲望とは、底の抜けた器に
海水を注ぎ続けるようなもの
飲めば飲むほど喉は渇き
心は焦土へと変わっていく辿り着いたその場所は、頂上ではない
ただの「執着」という名の行き止まり...

>> 続きを読む


灰色の図書館

ご立派な知識のコレクションですね。
ですが、ここは試験場でも、ましてや教室でもございません。
あなたの脳内に並んだ百科事典は、
残念ながら、この夜の孤独を癒しはしないのです。借り物の言葉をどれほど積み上げても、
それは誰かが歩いた道の足跡を、指でなぞっているに過ぎません。私たちが知りたいのは、
イン...

>> 続きを読む


硝子の独白 

吹き溜まりのカウンター
お前の言葉は、安物のバーボンより喉に刺さる
中身のない自慢話は
溶けきった氷のように薄っぺらだ自分を大きく見せたいなら
鏡を割って、その破片でも飲み込むがいい
真実というやつは、いつだって
語られない空白の中に沈んでいる夜の静寂(しじま)を汚すな
お前の武勇伝は、灰皿の吸い殻...

>> 続きを読む


蒼い境界線

街を濡らした雨が上がり、
ビルの隙間から、剃刀のような鋭い光が差し込みます。
夜と朝の境界線――
それは、誰にも支配されない、最も潔白な時間。コーヒーの苦みが、
昨夜までの感傷を、静かに過去へと押し流してゆきます。
名簿に記された名前も、
組織が求めた役割も、
この新しい光の前では、ただの影に過ぎま...

>> 続きを読む





Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.