Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



氷を噛み砕く

午前三時のキッチン
薄汚れたグラスに 安物のウィスキーを注ぐ
氷がぶつかる音だけが
この部屋で唯一 生きてる証拠だ「強くなければ生きていけない」
誰かが吐いた 使い古された台詞を
飲み干した酒と一緒に 胃の奥へ流し込む
焦げ付いた喉の痛みが 心地いいあいつが去った日の雨も
信じていた仲間の 乾いた裏...

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灰の礼拝

街の喧騒から離れ、私はただ、椅子に深く腰を下ろしています。
今日は復活祭だそうですね。
人々は「失われた命が戻ること」を祝い、
色鮮やかな卵に、ありもしない永遠を投影している。しかし、私は知っています。
一度零れた砂時計の砂が、自ら逆流することなどない。
この掌に残った温もりも、風に解けていく煙のよ...

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国際客船ターミナル悲歌

坂の街が吐き出した溜息が、石畳を濡らしている。
長崎港、松が枝。
かつて「鶴の港」と呼ばれたこの場所は、
今じゃ、誰かの夢を切り裂く、鋭い嘴(くちばし)のようだ。 「オランダ坂」を転がり落ちた未練が、埠頭に溜まっている。
大型客船の白い船体は、闇夜に浮かぶ巨大な墓標。
出航を告げる汽笛が、...

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国際客船ターミナル悲歌(エレジー)

錆びついたクレーンが、重たい空を釣り上げている。
ここは夢の終着駅、あるいは絶望の始発港。
潮風は安物のバーボンのように、喉の奥をヒリつかせた。かつて、この桟橋には華やかな香水の匂いが満ちていた。
今はただ、腐った海藻と、誰かが置き忘れた後悔の臭いがするだけだ。
大型客船の汽笛が、遠くで獣の呻きのよ...

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錆びた鍵の行方

「もう、いいの」
その声は、雨音よりも静かに、
俺の胸に冷たい杭を打ち込んだ。追おうとすれば、届いたはずだ。
その細い肩を抱き寄せ、
嘘でもいいから「行くな」と、
喉元まで出かかった言葉を飲み込む。追いかけないのは、誇りじゃない。
ただ、追った瞬間に、
俺たちのすべてが「間違い」に変わるのが怖かった...

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