椅子取りゲームの残飯処理
- カテゴリ: 日記
- 2026/04/21 21:48:08
「あと数段で、雲の上だ」男が吐き出した言葉は、安物の葉巻より鼻につく。
奴は自分がピラミッドを登っているつもりらしいが、俺の目には、巨大な蟻地獄で必死に足を回す虫にしか見えない。出世という名の、体裁のいい「首吊り縄」。
男はそれをネクタイと呼び、毎日丹念に結び直している。
誰の靴を舐めたか、誰の背中...
「あと数段で、雲の上だ」男が吐き出した言葉は、安物の葉巻より鼻につく。
奴は自分がピラミッドを登っているつもりらしいが、俺の目には、巨大な蟻地獄で必死に足を回す虫にしか見えない。出世という名の、体裁のいい「首吊り縄」。
男はそれをネクタイと呼び、毎日丹念に結び直している。
誰の靴を舐めたか、誰の背中...
午前二時、ブルーノートの盤が回る
針が拾うのは、都会の煤けた溜息だ
Cool Struttin'のジャケットのように
見知らぬ女のハイヒールが、アスファルトを冷たく叩くお前のピアノは、バーボンの味がする
最初は軽快なステップで誘い出し
気づけば、逃げ場のないブルースの闇に突き落とす
指先が鍵盤に触れ...
カウンターの隅、止まったままの時計。
マスターは何も聞かず
ひび割れたグラスに、毒のような琥珀を注ぐ。氷が溶けて、カランと鳴った。
それがこの街で、唯一信じられる音だ。
薄まった安酒が、荒れた喉を焼き
胃の底に眠る「後悔」を、静かに揺り起こす。「お代わりは?」
首を振って、最後の一口を飲み干した。
...
雨は、世界の汚れを洗うわけじゃない。
ただ、隠しておきたい傷跡を
生々しく、黒く、浮かび上がらせるだけだ。軒先から滴るしずくが
ブリキのゴミ箱を、執拗に叩いている。
誰かが書いたシナリオ通りに
空は、重たい鉛の蓋(ふた)を閉じた。火をつけた煙草が、湿気でうまく燃えない。
指先に残る微かな紫薬の匂いも...
灰皿に押し付けた
昨夜の嘘が、最後の一煙を吐き出した。
東の空が、古い傷口のように
じわりと、白く、濁り始める。街はまだ、死んだように静かだ。
湿ったアスファルトが
俺の靴底の孤独を、無愛想に跳ね返す。「希望」なんて言葉は
コーヒーの出がらしと一緒に、排水溝へ流した。
これから来るのは、ただの「今日...