Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



春の闇、陽炎

薄汚れたネオンが
春の夜霧に溶けていく
温い風は
昨日死んだ男の煙草の匂いだ路地裏のコンクリートから
揺らめく陽炎が立ち昇る
季節外れの蜃気楼
真実が逃げていく誰もいない波止場
水面を照らす月影も
春の夜の幻影
陽炎が消えれば
また、硬質な闇が残るだけだ撃ち抜いたのは
俺か、それともこの景色か陽炎よ...

>> 続きを読む


プラタナス

真夜中のステージ、スポットライトは冷たい月光のように
彼女の姿を、静寂の中に浮かび上がらせる。
グラスの中の琥珀色の液体が、ピアノの低音に震えていた。南部の風は、甘いマグノリアの香りに
言いようのない重みを混ぜ込んで運んでくる。
誰もが直視を避けるその情景を
彼女の歌声は、魂を削るようなブルースに変...

>> 続きを読む


夜明けはまだ遠い

氷の溶けきったグラスが、カウンターで微かな音を立てた。
スピーカーから流れ出したのは、エリントンのピアノ。
重い、あまりに重い、ベルベットのカーテンを引くような一音だ。そこへ、コルトレーンのテナーが滑り込む。
祈りのような、あるいは断末魔のような、低く掠れた溜息。
それは夜の街の湿った空気、
路地裏...

>> 続きを読む


レクイエム

暗がりに火を灯したのは、マッチ一本の頼りない光だった。低く這うようなラルゴが、古びた酒場のドアを叩く。突然、嵐_追い詰められた男の足音か、あるいは引き金を引く指の迷いか。沈黙と咆哮が交互に喉を焼く、安いバーボンよりもきつい導入だ雨はまだ降り続いている。路地裏に捨てられた記憶のように、重く、静かな旋律...

>> 続きを読む


過去_吹雪の中

静寂を切り裂くのは、使い古したライターの火蓋を切る音だけだ_余計な感情は、弾丸よりも重く足元をすくう。
「助けてくれ」と縋る声も、
「愛している」という甘い毒も、
この街の裏路地では、湿った硝煙と同じ無価値なノイズ。情けは無用、共感は命取り。
貸しは作らず、借りは血で返す。
乾いた瞳に映るのは、正義...

>> 続きを読む





Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.