Nicotto Town ニコッとタウン

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眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

秋麗

ねえ、あなた。どうかお願いですから、この汽車の汽笛が鳴り響くまでのほんの数分間だけ、私のこのみっともない泣き言を、黙って聞いてはくれないでしょうか。夕暮れの、誰もいない駅のホームに、秋麗(あきうらら)の風が容赦なく吹き抜けてゆきます。
世間の人たちは、あのどこまでも高く透き通った青空を仰いで、麗しい...

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秋麗の風によせて

だれを待つともなく 古い宿場の軒端(のきば)に
秋のひかりは ただ哀しくたまつてゐる
かつてあれほど賑やかだつた つめたい石畳を
いまは寂しい風だけが ひとりで吹きすぎてゆく遠い山の手のひそやかな伽藍(がらん)から
おそい夕暮れの晩鐘が ひとつ、またひとつと響いてくる
それは消えゆくもののやうに ひ...

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雨と風

雨はしづかに窓を叩き
風は夜の林を吹きすぎる
いつか読んだ古き書物のごと
寂しげなる音を立てつつ心に点る小さき火は
吹き通ふ風にかき消され
冷たき雨の雫となりて
草の葉の上に消えゆくあゝ 過ぎ去りし日々の幻影(まぼろし)よ
雨は密やかに降り注ぎ
風はすべてを連れ去りてゆく
このやるせなき孤独もろとも...

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白露と月

夜の深さに おもむろに
月は一筋の 光を投げかけ
草の葉の尖(うれ)に 宿る白露は
静かに 銀の雫を振るふお前は 何を夢みむとするのか
限りなき蒼い 空の合ひに
遠い国からの 便りのやうに
一つの影が 心に過ぎる風は過ぎ去る ――残されたものは
冷たい草の上の 小さな星と
温かい追憶の 幻ばかり
あ...

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白露の人 3

お話は、それから一週間ほど経ったころのことでございます。真理恵さんは、両手で小さな秋草の花束を抱えていました。それは、どこにでも咲いているような紫色の野菊と、薄紅色の秋桜(コスモス)でございました。「これ、土手にたくさん咲いておりましたの。眠さんはいつも、お一人で難しいお顔をして机に向かっていらっし...

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