かすかな風が 窓をたたいて
ぼくのなかの静かな時間を 呼びさます
すべての重みをもった存在は その奥底に
まばゆい光の祈りを 隠し持っているのだろうか夕闇が パステルカラーの街を包むころ
机のうえで ひそやかに息づく数式
E = m c ^ 2
それは質量が 光へと還るための約束あなたがぼくの名を ...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
かすかな風が 窓をたたいて
ぼくのなかの静かな時間を 呼びさます
すべての重みをもった存在は その奥底に
まばゆい光の祈りを 隠し持っているのだろうか夕闇が パステルカラーの街を包むころ
机のうえで ひそやかに息づく数式
E = m c ^ 2
それは質量が 光へと還るための約束あなたがぼくの名を ...
トレンチコートの襟を立てた背中が、冷たい河風に濡れていた。
街は煙る。
デューク・エリントンのピアノが残した微熱は、すでに乾いた舗道の上で消えかけている。
鍵盤の澱(おり)、
ビリーの描いた不協和音の残響。
橋脚(きょうきゃく)を打つ黒い波は、
誰にも言えない過去の死骸をどこかへ運んでいく。ポケット...
銀の指輪をそっと引き出しの奥へ
見えない文字で綴られた過去を
暗闇の底へと仕舞い込む
カチリと鳴った小さな錠の音は
僕たちの季節が終わった合図もう夜空を見上げる理由はない宛てのない足跡冷たい形見を置き去りにして
僕は薄明の街へと歩き出す
行き先などどこでもよかった
ただ、君のいないこの部屋から
遠く...
机の上に置かれたままの
君が残した銀の指輪
ペルセウスの光を映すこともなく
ただ冷たく、重く、そこにある触れる指先から伝わるのは
星が死んだ夜の
終わりのない冷気だけ遺された時間秒針の刻む音が
静まり返った部屋に響く
君が置いていった古い懐中時計
それは僕の知らない時間を
今も冷酷に刻み続けている星...
星の数ほどあった願いは
冷たい風の音にかき消され
夜明けの薄白い光が
容赦なく天空(そら)を剥ぎ取っていく君のいない新しい朝が
僕の肩を冷たく叩く吹き抜ける風夜が連れ去った幻のあと
残されたのは乾いた草の匂いと
耳元を過ぎる風の音だけ燃え尽きた星たちの死骸(かけら)は
もうどこにも見当たらない