Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

夢のなかの乗客

遠い雪の夜の 底からひびく汽笛の音(ね)は
まるで私をよぶ あなたの声のやうに切ない
私はひとり 青い寝台のくらがりのなかで
あたたかい幻につつまれるやうに 眼を閉ぢるガタゴトと震える 昭和の夜汽車のまどわく
窓のそとは はげしい白のあらしだつたらうか
けれど夢のなかで あなたはしづかに微笑み
私の...

>> 続きを読む


雪の夜の挽歌

汽笛がひとつ 暗い雪のなかに消えてゆく
それはもう 二度ともどらない昭和の夜
私はひとり 青い寝台(ベット)に身を横たへ
窓をたたく 白いまたたきを見つめてゐる凍てついた硝子窓のむこう また一つ
名もない駅のともしびが 遠ざかつてゆく
あのあかりのしたに かつて私の愛した
やさしい日々の 幻が佇んで...

>> 続きを読む


のちの想ひに

あんなに雪が降つてゐた 北へ向かう夜に
私はただ ひとつの失つた名前をよんでゐた
狭い二段寝台の あかりを消した暗闇で
切なさは すきま風のやうに胸をぬけてゆくいまはもう消えてしまつた あの汽車の青いカーテン
誰もいない通路の かすかな白熱灯のひかり
すべては昭和の 遠い幻だつたのだらうか
私の涙の...

>> 続きを読む


昨日の駅に、明日の夜が降りてくる

ひとつの旅が ここで終わる
尖った三角屋根が 薄桃色の夕暮れを突き刺し
小鳥のさえずりのように かすかな合図が聞こえる
プラットホームは 静かに夜の匂いを吸い込んでいた遠い異郷の町を いくつも掠めてきた
あの大いなる青い影――寝台列車が
大きな息を吐きながら レールの上に身を横たえる
窓の向こうには...

>> 続きを読む


日見峠の霧

優しくひとつの朝がひらかれるとき
僕は見失う、僕の歩むべき細い道を。
日見峠の古い坂に立ちこめる霧は、
まるで誰かのささやきのように淡く、白い。消え去った旅人たちの足跡を隠し、
みどりの木の葉を濡らす、しめやかな涙。
追憶のなかでだけ鳴りひびく馬鈴の音が、
このぼんやりとした景色のどこかに、眠ってい...

>> 続きを読む





Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.