Nicotto Town ニコッとタウン

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眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

原罪のスタウログラム

白夜は遠く去り、
むせ返るような真夏の太陽が、
うだるアスファルトと泥を容赦なく照りつける。
その陰鬱な大気の底で、
一本の桜が、狂ったように花を開いていた。季節を知らぬ白き花弁。
それは神の慈悲か、それとも悪魔の嘲笑か。
道行く者は誰ひとり足を止めず、
ただ重い足取りで、罪の澱(おり)のような影を...

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確かな光のなかに

私たちは並んで あの夕月を見上げてゐた
季節外れの 寂れた宿の窓辺辺(まどべ)から
かすかな硫黄の匂ひと 微かな星のまたたき
おまえの横顔は その光のなかに確かにあつた大勢のなかにゐても 私たちは独りだつた
けれどその孤独は 少しも寂しくはなかつた
おまえの息づかいが 夜の闇の深さに溶けて
二人の沈...

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季節外れの宿にて

季節のすぎてしまった温泉地の
古びた宿の だれもゐない廊下
夜の闇は おどろくほどに深く
私の足音だけが ひそやかに消えてゆく昼のざわめきは もうどこにもない
古びた障子の隙間から
あのかすかな硫黄の匂ひと
冷たい夜気(やき)が そつと忍び込んでくる窓の外には ただ一箇(ひとつ)の夕月と
またたくこ...

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独りの充たされ

大勢の人びとのざわめきのなかで
私はただ 夕月と微かな星を仰いでゐた
それで十分だつたのだ
私の孤独は これほどに静かに透きとほり風が運ぶ かすかな硫黄の匂ひは
山の呼吸のやうに 私を包む
だれも私の沈黙には気づかない
それでよかつた 私は私のままでゐられた夜のはじまりの つめたい空気のなか
星のま...

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仁田峠にて

かげろふのようになめらかな峰のあいだに
夕月は白く 寂しい光をこぼしてゐる
おまえはなぜ そんなに静かなのか
風にちぎれた雲の片端(かたはら)を追ふやうにむかしの夢が そこらの草に宿り
木立のかげに 青い影がのびてゆく
私はひとり 冷たい石に腰を下ろし
遠い海原(うなばら)の気配を胸にきくおゝ たそ...

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