Nicotto Town ニコッとタウン

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雨のバラードに寄せて

降りしきる雨は 舗道を冷たく撃ち抜く
俺の安物のコートを 容赦なく湿らせ
行き場のない未練を 側溝へと押し流していくあんたの背中は 街灯の光に滲んでいた
銀のしずくが 頬を伝ったのは
空のせいか それとも俺たちの嘘のせいか傘を差さないのは 弱さを隠すためじゃない
ただ この冷たさだけが
今は唯一の ...

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硝子越しの沈黙

神はいつだって、口を閉ざした証人だ。
雨が夜の街を叩くリズムに、
答えらしきものは、どこにも混じっていない。使い古したトレンチコートに、
昨日の嘘と、乾かない返り血を染み込ませ
私また、行き止まりの路地を曲がる。祈るには、もう手が汚れすぎた。
信じるには、この世界は透き通りすぎている。
バーの止まっ...

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緑の沈黙

この森に、会話は似合はない。
シダの葉が滴をこぼす音さえ、
ここでは重すぎる罪の告白のように響く_私は帽子を直し、
湿った土の香りを深く吸い込む。
都会の排気ガスに汚れた肺を、
この冷徹な緑が、ゆっくりと、執拗に洗っていく。「邪魔をする」誰に宛てるでもない挨拶が、
苔むした岩に吸い込まれて消える。
...

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境界線の警笛

鏡を覗き込み 獲物の傷を数える時
自分の頬にも 同じ裂傷がないか
俺は 冷めた指先で 確かめる「あいつ」を笑う その歪んだ唇が
いつしか 「あいつ」と同じ形に固まらぬよう
俺は 自分という名の 一番厄介な「他者」を
誰よりも厳しく 監視し続ける優しさという名のメスは よく切れる
だが 手元を狂わせれ...

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瓦礫の揺りかご

お前の言葉の裏にある 深い断層
その震源地は どこにある?
愛されなかった子供の 震える拳か
それとも 誰にも見つけられなかった 空っぽの部屋か「知っている」ことでしか 盾を作れず
「自分」を語ることでしか 息ができなかった
いつしか 鏡の中の自分を 神に仕立て上げ
借り物の言葉で 崩れそうな魂を補...

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