Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



赤い月によせて2


まどをひらけば くらい林のむかうに
ひとつの傷口がひらくやうに
あかい月が しづかに
しづかに のぼつてゐた
窓辺のカーテンは つめたく垂れて
部屋のすみには 夜の影がたまる
私はただ ひとりきりで
その淡い光のなかに 佇んでゐた
遠くで ちひさな小川の音がする
おまへの囁きだつたものか
さらさらと 闇の底へながれてゆく
夢のあしあとも 見失ひ
私はもう うたふことも忘れてしまふ
あかい月が ただ つめたく燃えてゐる

#日記広場:小説/詩




Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.