赤い月によせて
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/09/24 14:49:01
そのとき 遠い空のすみに
ひとつの林檎がともるやうに
あかい月が しづかに
しづかに のぼつてゐた
ひとつの林檎がともるやうに
あかい月が しづかに
しづかに のぼつてゐた
風はもう どこかへ去つて
梢のさざめきも とだえてしまひ
私たちはただ だまつて
その淡い光のなかに 佇んでゐた
梢のさざめきも とだえてしまひ
私たちはただ だまつて
その淡い光のなかに 佇んでゐた
おまへのほほゑみは なぜだらう
あんなにかなしく あたたかく
夜の濃紺のなかに にじんでゆく
あんなにかなしく あたたかく
夜の濃紺のなかに にじんでゆく
夢のあしあとを たどるやうに
私はひとつのうたを おもひだす
もうかへらない あの一日の記憶を
私はひとつのうたを おもひだす
もうかへらない あの一日の記憶を

























