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月よりの使者――群青によせてB


II. 紺碧(こんぺき)の棺(ひつぎ)
もう二度と 使者は訪れないだらう
東の空が うすむらさきに明けても
僕の部屋には 濃い群青が澱(よど)み
失つたものの大きさを 数へてゐる
月は白く濁り すべてを過去にするけれど
僕のてのひらに残る 銀のつめたさは
あの夜が 幻でなかつた証(あかし)
消えない哀しみが 僕を縛りつける
万年筆につめた あおいインクは
涙のように滲んで 言葉にならない
ただ白紙のうえに 群青のしみが広がる
使者よ あなたは僕のすべてを奪ひ
ただ一筋の 狂ほしい恋しさと
この終わらない夜だけを 残していつた

#日記広場:小説/詩




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