月よりの使者――群青によせてB
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/09/22 15:52:46
II. 届かない挽歌
机のうえの 空つぽの硝子壜(びん)
そこには君が残した 群青のなみだ
僕はそれを 指でなぞつては
呼んでも還らぬ その名前を呟く
そこには君が残した 群青のなみだ
僕はそれを 指でなぞつては
呼んでも還らぬ その名前を呟く
風は林を鳴らし 遠い海へと吹き抜け
僕のちひさな溜息を さらつてゆく
使者が忘れていつた あおい手紙は
一行も読めぬまま 月のひかりに灼かれ
僕のちひさな溜息を さらつてゆく
使者が忘れていつた あおい手紙は
一行も読めぬまま 月のひかりに灼かれ
どうして僕は 引き止めなかつたらう
あの凍えた肩を 抱きしめることもせず
ただ淡い夢のやうに 見送つてしまつた
あの凍えた肩を 抱きしめることもせず
ただ淡い夢のやうに 見送つてしまつた
夜が深まるほどに 傷口はひらき
僕の心は 暗い海の底へと
あてもなく 沈んでゆくばかりだ
僕の心は 暗い海の底へと
あてもなく 沈んでゆくばかりだ


























