結晶のそらのしたで
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/07/09 22:45:18
冷たい夢」「音楽の途絶」「結晶化する記憶」という世界観を、すべての熱運動が止まり、エントロピーが最小となる究極の静寂「絶対零度」に重ねた詩編です。
これ以上はもう つめたくなれない場所へ
ぼくたちの時間は ゆっくりと流れついた
風はうごきを止め 光はガラスの針のようになって
青い夜の底に ひっそりと突き刺さっている
ぼくたちの時間は ゆっくりと流れついた
風はうごきを止め 光はガラスの針のようになって
青い夜の底に ひっそりと突き刺さっている
きみのくちびるから こぼれようとした言葉も
ぼくの胸のなかで あばれていた小さな感傷も
みんな等しく いちばん正しい配置のままで
うつくしい氷の結晶になって やすらっている
ぼくの胸のなかで あばれていた小さな感傷も
みんな等しく いちばん正しい配置のままで
うつくしい氷の結晶になって やすらっている
そこにはもう あしたという名の揺らぎはなく
失われてゆくおそれも かなしみの摩擦もない
すべてがしずまりかえった マイナス二百七十三度の部屋で
ぼくたちは永遠に かわらないひとつの絵になる
失われてゆくおそれも かなしみの摩擦もない
すべてがしずまりかえった マイナス二百七十三度の部屋で
ぼくたちは永遠に かわらないひとつの絵になる
ああ 熱をなくしたこの世界の いちばん端っこで
ぼくたちの魂は これ以上ないほど澄みわたり
音のないピアノのように ただ寄り添っている
凍りついたまたたく星の ひかりの影に隠されながら
ぼくたちの魂は これ以上ないほど澄みわたり
音のないピアノのように ただ寄り添っている
凍りついたまたたく星の ひかりの影に隠されながら

























