量子もつれはるかな調べ
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/07/09 22:38:13
どれほど遠く離れても瞬時に互いに影響し合う「量子もつれ(量子絡み合い)」を、決して逢えない二人の魂の絆として描いた詩編です
はるかな調べ
ぼくたちがむかし ひとつのひかりだったころ
あんなに近くに ならんで咲いていたからだろうか
いまはこんなに 遠い星と星のあいだに引き裂かれても
ぼくの心は きみのふるえを正確に知っている
あんなに近くに ならんで咲いていたからだろうか
いまはこんなに 遠い星と星のあいだに引き裂かれても
ぼくの心は きみのふるえを正確に知っている
きみが遠い北の窓辺で ふと悲しみにうつむくとき
ぼくの南の庭の草むらも おなじようにそっと濡れる
そこには旅する風も 光のあしあとも届かないのに
ぼくたちのあいだには もう時間のすきまさえ残されていない
ぼくの南の庭の草むらも おなじようにそっと濡れる
そこには旅する風も 光のあしあとも届かないのに
ぼくたちのあいだには もう時間のすきまさえ残されていない
だれかがぼくの輪郭を 指先でなぞったその瞬間に
きみの背中にも かすかな風が吹きぬけるだろう
ぼくが青い翳(かげ)になれば きみはかならず紅い光になり
ふたりでひとつの 寂しい歌を完成させてしまう
きみの背中にも かすかな風が吹きぬけるだろう
ぼくが青い翳(かげ)になれば きみはかならず紅い光になり
ふたりでひとつの 寂しい歌を完成させてしまう
ああ 宇宙の果てと果てに ちりぢりになった部屋で
ぼくたちはけっして もういちど逢うことはないけれど
ぼくがここで目を閉じれば きみもあちらで目を閉じる
そんな確かな秘密だけが ぼくの夜をそっと満たしている
ぼくたちはけっして もういちど逢うことはないけれど
ぼくがここで目を閉じれば きみもあちらで目を閉じる
そんな確かな秘密だけが ぼくの夜をそっと満たしている

























