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混沌(エントロピー)の奈落

世界は冷え切った、必然の坂道を転がり落ちてゆく
秩序は崩壊し、すべての熱は均一な闇へと融解する。
これこそが法則だ、だれも抗うことのできない冷酷な数式だ!
だが、私の凍える指先は、なおも神の外套の裾を求めて彷徨っている。
私のなかの悪魔が笑う、「すべては無秩序へと向かうのだ」と。
昨日紡いだ美しい祈りも、今日流した悔恨の涙も、
すべては摩擦のなかに霧散し、二度と戻らぬ過去となる。
不可逆の時間が、私の罪を、私の生を、容赦なく磨り潰していく_
ああ、ラスコーリニコフの斧が振り下ろされたあの瞬間から、
いや、人間が最初に傲慢な知恵を手に入れたあのときから、
私たちはこの熱的死(ねつてきし)という地獄へ向かっていたのだ。
理性という名の冷徹な計算が、魂の最後の輝きを消し去ろうとする。
それでも! 私はこの暗闇の、エントロピーの極限のなかで叫ぶ!
破滅へと向かうこの泥泥(どろどろ)とした人間の歩みのなかに、
測定すらできない、一筋の聖なる光(すくい)があると。
たとえ宇宙の全エネルギーが、いつか冷たい静寂に沈もうとも_

#日記広場:小説/詩




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