星屑の森によせて2
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/07/08 22:07:05
誰もゐない、夜のしじまのなかに、
古いオルガンは形見のやうに眠つてゐる。
窓からさしこむ、あえかな星のひかりだけが、
あなたの触れた鍵盤のうへに、涙のやうにこぼれてゐた。
古いオルガンは形見のやうに眠つてゐる。
窓からさしこむ、あえかな星のひかりだけが、
あなたの触れた鍵盤のうへに、涙のやうにこぼれてゐた。
もう、あの細い指がここに還ることはない。
硝子(がらす)のやうに儚く消えた、優しい面影、
千切れ雲のゆくへを追ふ、わたしのこの手は、
引き留める術(すべ)もなく、ただ冷たい風をまさぐるばかり。
硝子(がらす)のやうに儚く消えた、優しい面影、
千切れ雲のゆくへを追ふ、わたしのこの手は、
引き留める術(すべ)もなく、ただ冷たい風をまさぐるばかり。
ねえ、どうして幸福(しあはせ)は過ぎ去つてしまふの、
鳴るはずのない鍵盤から、かすかに零れ落ちるのは、
あなたの宛名のない手紙、星の、かなしい子守唄。
鳴るはずのない鍵盤から、かすかに零れ落ちるのは、
あなたの宛名のない手紙、星の、かなしい子守唄。
星屑の森は、なにも言はずにわたしを包み、
あかるい朝を、もう、願ふことも忘れて、
冷たい光のなかで、わたしは、ただ、ひとり。_
あかるい朝を、もう、願ふことも忘れて、
冷たい光のなかで、わたしは、ただ、ひとり。_
























