Nicotto Town ニコッとタウン

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浅い追憶のパステル

I. 窓のひらくだけのトパーズ
薄青いパステルの空が 海にとけてゆく
白浜のくぼみに咲いた ハマヒルガオの淡い桃色は
まるでだれかが 砂のうえに落とした
小さな一文字の 恋文のようだった
見知らぬ岬のホテルの 白い窓をひらけば
潮騒はかすかな トパーズの階調(しらべ)を帯びて
おまえの残した あの一本の個影を
優しく くりかえし波打ち際へと寄せている
そこにはもう 約束の言葉さえ残されていないのに
一本の夏草のように わたしはただ立ち尽くす
去ったものはみな 夢のなかの光の淡さに似て
風のなかで 一羽の小鳥が不意にさえずり
またたく間に 青空のすきまへと隠れてゆく
かえらない日々の あの音楽を誘うかのように

#日記広場:小説/詩




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