砂の砦、あるいは失われた歌へのソナチネ
- カテゴリ:日記
- 2026/07/07 05:19:51
II. 白い砂のうえの個影
岬のまわりを いくつかの雲がすぎてゆき
青空は あまりにも透明で つめたい
ここに残された たったひとつの個影(シルエット)は
だれの心にもふれることのない 一本の樹に似ている
青空は あまりにも透明で つめたい
ここに残された たったひとつの個影(シルエット)は
だれの心にもふれることのない 一本の樹に似ている
海よ おまえはなぜそれほどまでに優しく
くりかえし くりかえし 白い泡を寄せるのか
なにもかもを 連れ去ってしまったそのあとで
残された窓に ただ悔恨の風を吹きこむために
くりかえし くりかえし 白い泡を寄せるのか
なにもかもを 連れ去ってしまったそのあとで
残された窓に ただ悔恨の風を吹きこむために
ガラスの破片(かけら)のような光が 波の背にくだけ
わたしの視線は 水平線のかなたで行き暮れる
おまえの呼び声は もう潮騒に消されてしまった
わたしの視線は 水平線のかなたで行き暮れる
おまえの呼び声は もう潮騒に消されてしまった
うつむいたハマヒルガオの 小さな花びらのうえに
夜の気配が しずかに降りてこようとするとき
わたしは消えた面影を 冷たい砂のなかに抱きしめる
夜の気配が しずかに降りてこようとするとき
わたしは消えた面影を 冷たい砂のなかに抱きしめる

























