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渚の追想


白い砂は ひそやかにかわき
波のきれはしが たえず洗う白浜のくぼみに
ハマヒルガオは うす紅のささやきをひらいていた
風はかすかに 岬の方から吹いてきて
おまえの髪のにおいを どこかへ運んでゆく
追憶のなかの あの一本の樹のように
砂丘のうえに ぽつんと残された個影よ
わたしは耳をすます あの日の歌のひびきに
けれど潮騒(しおさい)は ただくりかえすばかりで
答えてはくれない 淡い青空の遠く
去ったものは みな美しく
かえらない時間は ガラスの破片(かけら)のよう
波打ち際に寄せてはかえす 白い泡のなかに
わたしは消えた面影を いまもさがしている
うつむいた花びらに ひとしずくの露を落として

#日記広場:小説/詩




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