Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



ブログに群がる商売商売


モニターの青白い光が、男の頬を冷たく撫でる。
静まり返った夜の書斎で、彼はキーボードを叩く。
言葉はただ、冷たい弾丸のように画面を滑り落ちていく。


だが、ページをめくるその指先を、影が這う。
「稼げる」という甘い匂いを嗅ぎつけたハイエナどもだ。


彼らは群れをなし、電子の海を漂っている。
「不労所得」という名の甘いエサをぶら下げて。
「まずはこのリンクを踏め」と、白々しい笑みを浮かべて手招きする。
その言葉は、研がれていないナイフのように薄っぺらで、錆びたブリキの味がする。


男は煙草に火をつけ、深く息を吐き出した。
吐き出された紫煙が、虚飾にまみれた広告のバナーをぼやけさせる。
連中は言う。「お前の人生は、まだ何かが足りない」と。
連中は囁く。「俺たちの教えに従えば、すべてが手に入る」と。


バズを狙う言葉狩り。
情弱を喰らうマネタイズの亡霊たち。
彼らにとって、この場所に息づく人間の感情など、ちっぽけな数字の羅列にすぎない。
ただの通貨の交換レートだ。


男は苦い笑みを浮かべ、再びキーボードに向かう。
彼らが差し出す濁った泉には、決して口をつけない。
どれだけアクセス数が欲しくても、どれだけ金が積まれても、魂を売り渡すわけにはいかないからだ。


ここは男の、たった一つの砦(ブログ)なのだ。
夜明け前の静寂の中、誰に媚びるでもなく、ただ真実だけを打ち込む。
商売の匂いが充満する荒野で、男は今日も、己の言葉という名の銃を握り締めている。


甘い言葉の誘惑は、夜の風に吹き飛ばせばいい。
男はディスプレイの向こうにいる、まだ見ぬ誰かへ向けて、静かに引き金を引いた。

#日記広場:人生




Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.