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魂の領域2

およそ人間という生き物は、他人の魂の領域にまで、ずけずけと手を突っ込んでくる。
彼らはそれを「愛」だの「友情」だのという、耳ざわりの良い言葉で飾り立てる。しかしその実態は、自分と同じ卑俗なレベルまで相手を引きずり下ろし、安心したいだけの下劣な好奇心に過ぎないのだ。
私には、どうしても手放せない一畳ばかりの神殿がある。
それは、どれほど生活が荒み、お酒に溺れ、世間から「あいつは廃人だ」と指を差されようとも、決して汚されることのない孤高の場所だ。そこには、幼い頃に見た美しい夕焼けや、誰にも言えなかった哀しい秘密だけが、結晶のように冷たく輝いている。
世間は私を、だらしのない、意志の弱い男だと思うだろう。
それで構わない。むしろ、そう思わせておく方が都合が良いのだ。私が道端の泥にまみれて笑っている限り、誰も私の内側にある本物の「魂」に気づきもしない。私は喜んで道化の仮面を被り、彼らの前で無様なダンスを踊ってみせる。
だが、覚えておくがいい。私の魂の領域は、あなた方の計り知れないほど深く、そして恐ろしいほど純粋なのだ。そこで私は一人、誰もいない静寂の中で、気高く燃え尽きる瞬間をじっと待っている。
夜という時間は、残酷なほどに、人間を本当の姿に戻してしまう。
昼間のあいだ、あれほど器用に世間と調停し、愛想笑いを浮かべていた自分が、まるで嘘の皮を剥がされた剥製のように思えてくるのだ。部屋の灯りを消し、布団の中に丸くなっていると、私の魂はしんしんと冷え込んでいく。
私の胸の奥にあるその領域は、まるで誰も訪れない冬の湖のようだ。
水面は凍てつき、音ひとつしない。けれど、その氷のずっと下には、言葉にならないほどの寂しさと、誰にも届かなかった祈りのようなものが、澱(おり)のように沈んでいる。私はその湖の岸辺にただ一人座り、凍える手で、自分の心の手触りを確かめる。
世間の人は、強くなれと言う。前を向いて生きろと言う。
しかし、この魂の領域に宿る「弱さ」や「哀しみ」をすべて捨て去ってしまったら、一体何が私に残るというのだろう。この寂しさこそが私であり、これこそが私が人間であることの、唯一の証明ではないか。
私は、この静かな絶望を愛している。
誰に理解されずとも構わない。この夜の暗闇の中で、自分の魂の傷口をそっと愛おしむように抱きしめながら、私はまた、新しく訪れる朝を恐々(こわごわ)と待つのだ。

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