青い夜のための十四行詩
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/05/23 21:43:14
それは かつて私たちが語りあつた
ちひさな約束のやうに ひそやかで
私はひとつの涙の雫を
外套のポケットに そつと忍ばせてゐる
ちひさな約束のやうに ひそやかで
私はひとつの涙の雫を
外套のポケットに そつと忍ばせてゐる
風が吹いて 梢のあいだを通りすぎるとき
失はれた日々の うす紅色のパステル画が
追憶のなかで 優しく揺れるけれど
私はもう ふりむくことをやめよう
失はれた日々の うす紅色のパステル画が
追憶のなかで 優しく揺れるけれど
私はもう ふりむくことをやめよう
窓のそとには ただ青い夜がひろがり
星たちは冷たい銀の針をふるはせて
消え去つたものたちの 名前を呼んでゐる
星たちは冷たい銀の針をふるはせて
消え去つたものたちの 名前を呼んでゐる
私のポケットのなかで あたたまる雫
それは明日の 名もなき朝露にかへるため
私は静かに この夜のなかを歩みだす
それは明日の 名もなき朝露にかへるため
私は静かに この夜のなかを歩みだす


























