五月の冷気
- カテゴリ:日記
- 2026/05/22 17:30:41
夜明け前の午前四時
世界はまだ、安いバーの飲み残しのように濁っている
世界はまだ、安いバーの飲み残しのように濁っている
トレンチコートの襟を立て
五月の、生ぬるい皮肉のような雨を聴く
アスファルトを叩く音は
タイプライターが冷酷な真実を刻む音に似ていた
五月の、生ぬるい皮肉のような雨を聴く
アスファルトを叩く音は
タイプライターが冷酷な真実を刻む音に似ていた
「初夏」などという言葉は、この街にはない
ただ、少しだけ湿った孤独が
路地裏の錆びた非常階段を濡らしているだけだ
ただ、少しだけ湿った孤独が
路地裏の錆びた非常階段を濡らしているだけだ
トタン屋根を跳ねる雨だれは
過去から送られてきた、終わりのない暗号
モールス信号のテンポで
忘れたはずの女の名前を刻み続ける
過去から送られてきた、終わりのない暗号
モールス信号のテンポで
忘れたはずの女の名前を刻み続ける
火をつけた煙草の煙が
紫色の冷気に溶けて消えた
紫色の冷気に溶けて消えた
生き延びることは、そう難しいことじゃない
冷え切った琥珀色の珈琲を飲み干すことと
この降り続く雨だれを
ただの雑音だと言い聞かせる、少しの嘘があればいい
冷え切った琥珀色の珈琲を飲み干すことと
この降り続く雨だれを
ただの雑音だと言い聞かせる、少しの嘘があればいい
夜が明ける
だが、光がすべてを救うわけじゃない
ただ、俺の影を
泥水の中に、より黒く浮かび上がらせるだけだ_
だが、光がすべてを救うわけじゃない
ただ、俺の影を
泥水の中に、より黒く浮かび上がらせるだけだ_


























