Nicotto Town ニコッとタウン

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春陽光の森によせて

光は こぼれる雲のすきまから
みどりの若葉の あわい手のひらに
ぼくらはそこへ ゆかうとしていた
まだだれも知らない 四月のその森へ
そよ風がひとしきり 梢(こずえ)をゆらせば
見えない小鳥の うたふ声がきこえる
おまへは小さな日傘を ひろげながら
ぼくのしづかな足音に 耳をすます
夢みたものは あかるい風のゆくへ
ねがったものは ひとつのやさしい約束
すべては木漏れ日の まぶしさのなかに
淡い水彩のやうに にじんでいる
だが ぼくらはもう引き返さねばならない
光のあつまる きらめくその場所から
さようなら ぼくたちの見失つた春よ
森はひそやかに おまへの面影をかくす

#日記広場:小説/詩




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