Nicotto Town ニコッとタウン

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勿忘草によせて


風のひかる うららかな昼
牧場のすみに 小さき碧(あお)のひと群れ
あかるい空のしたで ひっそりと
それは誰も知らぬ ちいさな夢の形をしていた
私は手折ることをためらふ
その青が あまりに淡く あまりに脆く
時を止めてしまふやうに思はれたから
ちぎれた雲の ひとかけらみたいに
貴方は言つた 「忘れないで」と
けれど私は知つている 忘れることの優しさを
風に散る花びらや 川面に消える泡のやうに
すべては遠く あかるく 去りゆくものだと
陽はまた落ちて 冷たい風が吹く
忘れられた花びらは 草のなかに眠り
私はまた ひとりになって 唄を歌ふ
遠い あかるい 夢の跡を追ひかけながら。

#日記広場:小説/詩




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