遺伝子の檻
- カテゴリ:日記
- 2026/04/25 20:33:21
母親から譲り受けたのは、古びたロザリオと、
得体の知れない「影」が染み付いたこの身体だけだ。
得体の知れない「影」が染み付いたこの身体だけだ。
一九四五年、あの閃光を浴びたのは俺じゃない。
だが、その毒は俺の細胞(コード)のどこかに、
見えない弾丸として装填されている。
だが、その毒は俺の細胞(コード)のどこかに、
見えない弾丸として装填されている。
病院の待合室、消毒液の匂いに咽せながら、
俺は自分のカルテを、まるで未解決事件のファイルのように眺める。
「異常なし」という言葉が、
皮肉なジョークのように、俺の鼓動を嘲笑う。
俺は自分のカルテを、まるで未解決事件のファイルのように眺める。
「異常なし」という言葉が、
皮肉なジョークのように、俺の鼓動を嘲笑う。
やつら(司法)は言う。「科学的根拠がない」と。
分厚い法典を盾に、俺たちの不安を切り捨てる。
だが、夜中の静寂に聞こえる自分の心音は、
いつ暴発するか分からない時限爆弾の秒読みだ。
分厚い法典を盾に、俺たちの不安を切り捨てる。
だが、夜中の静寂に聞こえる自分の心音は、
いつ暴発するか分からない時限爆弾の秒読みだ。
俺は二世。
生まれたときから、戦場のど真ん中に放り出されている。
敵の姿は見えない。硝煙も上がらない。
ただ、血のなかに潜む「過去」という名の幽霊と、
一生、背中合わせで踊り続けるだけだ。
生まれたときから、戦場のど真ん中に放り出されている。
敵の姿は見えない。硝煙も上がらない。
ただ、血のなかに潜む「過去」という名の幽霊と、
一生、背中合わせで踊り続けるだけだ。
浦上の赤煉瓦は積み直されたが、
俺たちの内側にある亀裂は、誰が埋めてくれる?
俺たちの内側にある亀裂は、誰が埋めてくれる?
タバコに火をつけ、灰色の空へ煙を吐き出す。
俺たちは、祈りの言葉も、怒りの叫びも、
すべて胃の底に沈めて生きてきた。
俺たちは、祈りの言葉も、怒りの叫びも、
すべて胃の底に沈めて生きてきた。
「可哀想な被害者」なんてツラは、死んでも御免だ。
俺の代で、この呪われた連鎖を断ち切る。
たとえ、それが虚空に向かって引き金を引くような無駄足だとしても。
俺の代で、この呪われた連鎖を断ち切る。
たとえ、それが虚空に向かって引き金を引くような無駄足だとしても。
歴史という名の冷酷なバーテンダーに、
もう一杯、苦い酒を注文する。
俺はまだ立っている。
その事実だけで、十分な反撃だ。
もう一杯、苦い酒を注文する。
俺はまだ立っている。
その事実だけで、十分な反撃だ。



























