Nicotto Town ニコッとタウン

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鉛色の報い

雨は、世界の汚れを洗うわけじゃない。
ただ、隠しておきたい傷跡を
生々しく、黒く、浮かび上がらせるだけだ。
軒先から滴るしずくが
ブリキのゴミ箱を、執拗に叩いている。
誰かが書いたシナリオ通りに
空は、重たい鉛の蓋(ふた)を閉じた。
火をつけた煙草が、湿気でうまく燃えない。
指先に残る微かな紫薬の匂いも
この雨が、記憶ごと薄めてくれるだろうか。
「ついてないな」
独り言は、霧雨の中に溶けて消えた。
傘を差す気なんてない。
どうせ俺たちは、生まれた時から
ずぶ濡れのまま、出口を探しているんだ。

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