Nicotto Town ニコッとタウン

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錆びついた王座

失礼いたします。
そのように項垂(うなだ)れて、何を数えておいでですか。
失ったチャンスの数でしょうか、それとも貴方を傷つけた者たちの名前でしょうか。
「自分は正当に評価されていない」
「この環境が、時代が、自分を縛り付けている」
なるほど、実に見事な弁明です。
貴方が手にされているその「悲劇」という台詞は、
責任という重荷から逃れるための、最高級の免罪符でございます。
ですが、お顔を上げてください。
貴方が座っておられるその「被害者の椅子」は、
年月とともに錆びつき、貴方の自由を蝕む檻に変わっております。
誰かのせいにしている間だけは、貴方は無垢なままでいられる。
しかし同時に、それは自分の人生を他人に明け渡していることと同義なのです。
世界は貴方を救いもしませんが、わざわざ痛めつけもしません。
ただ、そこに厳然として存在するだけです。
風は貴方の嘆きを運ばず、雨は貴方の代わりに涙を流しはいたしません。
いい加減、その温かい繭(まゆ)からお出なさい。
言い訳を鎧にするのではなく、己の無力さを剥き出しの肌で知るのです。
恥をかき、泥を舐め、自分の限界という壁に拳を叩きつける。
その時初めて、貴方は自分の人生の「主」となれる。
お助けの手は差し伸べません。
それは、貴方の誇りを踏みにじる行為に他ならないからです。
どうぞ、その震える足で、一歩前へ。
絶望すらも自分の糧とする覚悟ができた時、
この冷たい夜の空気は、最高の美酒へと変わるはずです。

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