組詩『あえかなる葬列』
- カテゴリ:人生
- 2026/04/12 08:44:51
── 獣、森、そして星のしじまへ ──
Ⅰ. 獣たちの落日
風は いちどきに ひるがえり
あかるい雲の あわいに 消えた
遠い けものたちの 足おとは
いまは ひそやかな 祈りのようだ
風は いちどきに ひるがえり
あかるい雲の あわいに 消えた
遠い けものたちの 足おとは
いまは ひそやかな 祈りのようだ
金のたてがみは 夕陽に とけて
草のなかに しずかに 横たわる
きらめく瞳も やがて とざされ
深い 眠りの 淡彩(パステル)になる
草のなかに しずかに 横たわる
きらめく瞳も やがて とざされ
深い 眠りの 淡彩(パステル)になる
Ⅱ. 追憶の森
森は ひそかに ひかりを ぬぎ
あわい 霧の なかに 紛れる
きみの わらい声は いまはもう
風が さらう 音のない 楽譜
森は ひそかに ひかりを ぬぎ
あわい 霧の なかに 紛れる
きみの わらい声は いまはもう
風が さらう 音のない 楽譜
しずかに ゆれる 梢(こずえ)のむこう
きみの 細い 指さきの ゆくえ
みどりの 波間を さまよいながら
透きとおる 午後を 編んでいた
きみの 細い 指さきの ゆくえ
みどりの 波間を さまよいながら
透きとおる 午後を 編んでいた
Ⅲ. 星のしじまへ(月光の終曲)
あえかな 月の ひかりが
森の なきがらに 降りそそぎ
きみの 面影の ひとみも
いまは 露の きらめきに
あえかな 月の ひかりが
森の なきがらに 降りそそぎ
きみの 面影の ひとみも
いまは 露の きらめきに
銀の 糸を ひくような
夜の 静かな 弔いの調べ
星の しじまは いよいよ 深く
すべてを 蒼い 底へと 沈めて
夜の 静かな 弔いの調べ
星の しじまは いよいよ 深く
すべてを 蒼い 底へと 沈めて
[エピグラフ]
「窓をひらけば、そこにはもう森はなかった。
ただ、いちどきに吹きすぎた風のなかに、
獣たちのたてがみと、きみのわらい声だけが、
パステルの粉(こな)のように、しずかに散っている……
ただ、いちどきに吹きすぎた風のなかに、
獣たちのたてがみと、きみのわらい声だけが、
パステルの粉(こな)のように、しずかに散っている……

























