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哀歌 アランフエス2

琥珀色の液体が揺れるグラスの向こうで、爪弾くギターの調べ
流れてくるのは、ロドリーゴが編み上げた「アランフエス協奏曲」。
1939年、動乱の足音が聞こえるパリで、盲目の作曲家が情熱を注ぎ込んだ旋律。
それは失われたものへの哀歌であり、同時に明日への静かな祈りでもある。
第2楽章、アダージョ。
ギターの繊細な爪弾きが重なる。
静寂の中に響くその音は、かつて訪れたスペインの乾いた風や、アランフエス宮殿に降り注ぐ柔らかな陽光を連れてくる。
過ぎ去った時間は二度と戻らない。
しかし、音楽が描き出す情景は、孤独な夜に寄り添う確かな実体を持っている。
最後の一音が闇に溶け、街角に静寂が戻る。
余韻を噛み締めながら、夜の静寂へと一歩を踏み出す。
胸には、あの美しい協奏曲の記憶だけを携えて。

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