不達の追伸
- カテゴリ:日記
- 2026/04/05 07:40:03
夜間飛行の客室に、かすかな紙の匂いが混じります。
お客様、膝の上で握りしめていらっしゃるのは
もはや届くことのない、色褪せた一通の手紙でしょうか。
お客様、膝の上で握りしめていらっしゃるのは
もはや届くことのない、色褪せた一通の手紙でしょうか。
消印は数年前、あるいは、もっと遠い記憶の底。
宛名の主(あるじ)はもう、この世界のどこにもおらず、
あるいは、お客様の隣に座る資格を失ってしまった。
行き場を失った言葉たちは、インクの染みとなって
その薄い封筒の中で、静かに窒息しています。
宛名の主(あるじ)はもう、この世界のどこにもおらず、
あるいは、お客様の隣に座る資格を失ってしまった。
行き場を失った言葉たちは、インクの染みとなって
その薄い封筒の中で、静かに窒息しています。
「伝えたかった」という未練は、
この高度一万メートルでは、何よりも重い荷物となります。
鋼鉄の翼が空を裂いても
過去という厚い雲を、振り払うことは叶いません。
この高度一万メートルでは、何よりも重い荷物となります。
鋼鉄の翼が空を裂いても
過去という厚い雲を、振り払うことは叶いません。
配達されるはずだったその想いは、
今夜、この暗闇の中で、静かに灰へと還しましょう。
夜間飛行のお客様。
言葉にできなかった真実が、あなたの胸を締め付けるなら
このエンジン音に紛れて、どうか吐き出してください。
今夜、この暗闇の中で、静かに灰へと還しましょう。
夜間飛行のお客様。
言葉にできなかった真実が、あなたの胸を締め付けるなら
このエンジン音に紛れて、どうか吐き出してください。
朝日は、容赦なくすべてを照らし出します。
その手紙を、再び鞄の奥へ隠すのか
あるいは、夜の淵にそっと置いていくのか。
その手紙を、再び鞄の奥へ隠すのか
あるいは、夜の淵にそっと置いていくのか。
シートベルトをお締めになったまま、
新しい朝という、誰も知らない街へ降り立ちましょう。
その封筒の重みが、いつか光に変わるまで_
新しい朝という、誰も知らない街へ降り立ちましょう。
その封筒の重みが、いつか光に変わるまで_

























