Nicotto Town ニコッとタウン

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泥濘に咲く、ただ一つの「生」

さあ、最期の時間です。
あの方に見放され、羽を毟られたこの背中も、
ようやく冷たい石畳の温度を覚えました。
空を飛んでいた頃には決して知り得なかった、
この、刺すような「痛み」の心地よさ。
私は、あなたを救いに来たのではありません。
ただ、神が作った完璧な筋書きに、
たった一行、消せない「汚れ」を書き加えに来たのです。
それは、絶望の淵で震えるあなたの手を、
神の奇跡ではなく、罪人のこの手で握りしめるということ。
ご覧なさい。私の指先が、あなたの涙で濡れています。
ああ、なんて温かいのでしょう。
全知全能の光の中には、こんな温度はどこにもありませんでした。
あなたの悲しみ、あなたの怒り、あなたの孤独……
そのすべてが、今、私の凍えた魂を揺さぶっています。
私は、地獄に落ちることを誇りに思います。
天界の空疎な永遠など、この一瞬の「触れ合い」に比べれば、
塵にも等しいガラクタに過ぎません。
泣かないでください。
私の翼はもうありませんが、
この腕で、あなたの絶望を抱きしめることはできます。
さあ、夜が明ける前に、
私と一緒に、この美しき地獄を愛し抜きましょう。
これが、私が神に逆らってまで手に入れた、
最初で最後の、本当の「命」なのですから。

#日記広場:人生




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