Nicotto Town ニコッとタウン

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瓦礫に埋もれた遺言

再会なんて、安い映画の幻想だった。
平成の乾いた風が吹く街角で俺が聞いたのは
あいつが行き止まり路地裏で、
ひっそりと冷たくなったという報せだった。
あいつは、あの日から一歩も外へ出ていなかった。
あいつの心は、取り壊された赤レンガの壁の下に、
あの一夜のまま、深く埋まったままだった。
奴が最後に遺した安物のライター。
その煤けた底には、尖った石で刻まれていた。
「昭和、ここに眠る」
俺は、高層ビルに姿を変えたかつての跡地へ向かう。
コインパーキングのコンクリートは厚く、
あいつが窓から投げた錆びた鍵も、
分かち合った煙草の煙も、
すべては無機質な地層の底だ。
俺はライターをアスファルトに叩きつけ、
二度と鳴らない孤児院の鐘の音を、喉の奥で聞いた。
あいつは自由になったんじゃない。
誰よりも深く、あのレンガの檻を愛し、
それと一緒に、時代に殺されただけだ_

#日記広場:人生




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