リレー小説
- 2025/02/02 10:11:46
投稿者:ゆめかの
面白そうなのでやってみましょうo(^-^)o
ルールは
①連続投稿はなし
②書く順番、期間は指定なし。
書きたいときに書きたい人が書きたいだけ書く。
③空白で、次の人のうめてもらうのもあり。
④一行だけの参加も歓迎o(^-^)o
人数少ないし読み専門の人も居ると思うので、ルールは以上でいってみましょう。
書き始めは、独断と偏見で、例を書いてくださった鈴林実咲さんにお願いしたいと思います。
よろしくお願いします。
コメント欄に順番に書いていってね(ू•ᴗ•ू❁)
ルールの追記
24時間更新がなかったら、連続投稿ありにしましょう。o(^-^)o
「おぅおぅ、見事に撃沈してやがるなぁ。お見舞いに行ったんじゃなかったのか?」
「行ったよ?行ったけどさ…」
香織お姉さんって顔見知り多すぎじゃない?あんなにひっきりなしに来るってどんな人気者だかを…
まざまざ見て終わっちゃった…
「ヘタレだなぁ…」
「うるさいよ向井」
向井洋、昔は洋風の洋、海外じゃない?変な名前。…というクラスでは謎の言葉遊びに付き合わさせられていた。
なので仲良くなった友達ほど名字で呼ぶような感じで落ち着いた。いわゆる公立校あるあるというのものだろうか。
こんなことを言ってはいるが真っ先に募金の手伝いを申し出てくれるくらい人がいいやつだ。
「それにさ、笑っていたんだよ。お姉さん。僕に見せたことのない感じで、ね。」
楽しそうだったなぁ…みんなに慕われて。あんな空気、壊しに行けないよ…
「ふぅん、妬いてるんだ?」
「やっ!?いや、それは、その、妬いてる…のかな?」
ぐるぐる、先ほどの光景が反芻されては悩ましいような、もやっとするような、安堵したような僕がいて。
どれがほんとうの感情なのだか、収拾がつきそうになかった。
◇
(お姉さん視点)
最後の見舞いに来てくれた人の去って行く背にニコニコ手を振っておく。
ドアがカチャンとスライド式のものが閉まった音がする。
「やっと一段落ね…」
ぽつん、とベッドが一室置いてあるだけの殺風景な真っ白な部屋は先ほどとはうってかわって広々としてみえた。
「心配するフリして、お母様って同情が引きたいだけなんでしょうね…」
本当に嫌になる。私より世間様が大好きで。いい母親役を演じていたいだけなんだから。
「…考えるだけで頭が痛む気がする…」
何も出来ないんだから。私は無力だから。泥のようにひとまず眠ろう…
「このまま痛みもなく眠るように死ねたらな…」
まぶたを閉じると、そのまま意識はまた沈んでいった…。
夢でも、見れるかしら。とっても素敵で、楽しい、夢、が………
学園のみんなのやさしさが、鬱陶しい。。。。
心配している演技をしているお母様がきらいだ。。。
どうせ、もうすぐ私は死ぬんだ。。。。、
たくさんの学園の生徒達がお見舞いにひっきりなしに来る。
「お見舞いありがとう。でも見た目ほどひどく痛む訳でもないの」
ニコニコ。ニコニコ。作り笑顔。
みんなはコロッと騙されたみたいに、ホッと安堵する。
「お母様が、香織様の血が止まらなかったらどうしよう…って嘆いてらしたの」
「そう、お母様が。怖い想いをさせてしまったわ…」
シュン…と、しょげた顔をする。周囲の生徒達は扇動されたかのように口々に言う。
「香織様は悪くありませんわ…!」
「相田になんか言うやついたら俺達に言えよな!なんとかしてやる…!」
「みんな…ありがとう…」
ニコニコ。ニコニコ。笑顔の輪。
はやく退院したいけれど。お母様なら跡が残ることを心配したでしょうね。
私のこと、出来た母親役を演じて“自慢の娘“にしたがるんだから。
…窮屈ね。私、ひとりで死ぬことも、許されない…
全身傷だらけで、救急車に運ばれたけど生きている。
なぜ、亡くなったと思っていたんだろ。。。。
葬儀に行ったわけでもない。病院に確認したわけでもない。
僕は香織お姉さんのことが好きだ、大好きだ!
助かって欲しい!
僕は香織お姉さんに会いたくて、病院に行った。
でも、そこにいた香織お姉さんは。。。。
乾いた笑いがこぼれる。喉の奥からカラカラに乾ききる。
香織お姉さんに今にも名前を呼んで話掛けてくれたんじゃないかって期待している僕がいる。
面影を重ねてはきっとまだ側に居るんだって信じてやまない。そんな感情に浸りきっている。
「居なくなってから気がつくなんて、大バカ者は僕のほうだよね…」
グッと上を向く。声は淡い冬の青空に、白くあわい息となって、ぽつんと消え入った。
遠くを見るように空を見るのになぜだか涙で景色が霞んで見えた。
こぼれたりはしなかったけれど、瞳にはいっぱいの水が張っていた。
不意に背後から声がした。
「⋯っきの⋯は、れ?」
声が掠れすぎていて、何も聞き取れない。
「⋯香織姉さん、なの?」
なんで。
いなくなったはずの香織姉さんがどうして、ここに⋯。
「⋯人違いかな、ごめんね」
私はカオリじゃないよ、という口調も何もかもが香織姉さんそのものだった。
「紗織ー、はやくー」
友達らしき少女に声をかけられ、なんかごめんなさい、と小さな声で謝りながら紗織さんは足早にその場を去っていった。
踏切はいつもどおりにその警鐘を響かせている。
ふと、いくつもの情景が、僕のなかで巡り巡るようだった。
ドクリ、と心臓が跳ねた。〈僕は僕自身の心に嘘をついているんだろう?〉…そう言いたげに。
嘘なんて、という言葉がよぎるよりも先に、なにか、心のどこかに、ヒビが入った。
ヒビから、パキリ、パキリ…と音を立てるかのように…蓋をして見ないようにしていた感情であふれかえる。
優しく笑いかけてくれたこと。
名前を聞いた後は覚えてくれていたこと。
警鐘を凛として聞く横顔さえも美しかったこと。
どこか儚くてさびしかったこと。
カラスを恐れていたこと。
そんなカラスさえも受け止めて穏やかだったこと。
巡って巡って巡りあって。僕は、僕はっ…!
「今日のこの日も!お姉さんが居てくれたら…!今までだって、お姉さんがいてくれたからこそだったのにっ!」
言い出したら慟哭がとめどなくあふれていた。
電車の通りすがる騒音と、踏切の警鐘は、ただ、いつもどおりに僕の吠える声さえも、かき消すかのようだった。
ふと踏切の遮断機が上がった。向こうからこちらに一直線にめがけて誰かが走って来ている。
あれは…三つ編みおさげからして委員長だ。
「おはようございます!満田君!」
「お、おはよ委員長…」
「声がちいさい!!!さっきの威勢はどうした!!!」
「聞こえてたの!?ひゃ~恥ずかしいところを見られちゃった、かな…」
「いいか!!!腹から声を出すことはいいことだ!!!」
「っはい!!!」
「いい返事だ!!!学校だよ!!!」
「っはい!!!」
さっきの踏切が降りる前に、委員長としては来た道を引き返すみたいな形で渡る。
「君のやっている取り組み、純粋にすごいって尊敬してる。いつか想い人のお姉さんに届けなさいよねっ」
バシンッ、ひとつ背を叩いた後は「じゃあね、私先行くから!」といって去って行った。
「あ、嵐が来たみたいだった…」
振り返ると、踏切は遥か遠くで穏やかな音のように、日常の一幕のように感じられた。
近くだと、あんなに、苦しかったのにね。不思議と今はそんな感情は一切がなかった。
悩んで霞んで見えなくなっていた世界の輪郭が、くっきりとなぜだか映るようだった。
慟哭:どうこく:声をあげて激しく嘆き泣くこと
カラス一羽もない。
香織姉さんもいない。
なのに、何かがヘン…
どうして、こいつはそんなに幸せそうなんだ。
目の前の人間を今もなお強く苦しめているというのに。
沸々と怒りが沸き上がってくる。
そして僕は気づいたのだった。
自分が香織姉さんを尊敬していたのはただ単に成績が良かったからだということに。
相手のことを詳しく知ろうともせずに僕は勝手に自分の理想像を香織姉さんに押し付けていたのだった。
そうか、それだけか。
そんなことにも気付けないほど僕は理想に依存していたのだろう。急に僕は自分が馬鹿らしく思えてきた。
⋯こんな人間に、興味も何も無い。
今まで彼女を慕っていたとは思えないほどあっさりと、僕は冷酷な判断を下した。
背を向けて、かつて決心したそのドアも開けたままにして僕は何事もなかったかのように香織姉さんの部屋を足早に立ち去った。
⋯はずだった。
僕の中の愚かなものが、強く、ひたすらに主張していた。
背中に何者かの視線を受けながら、道の真ん中でまた僕は考え込んでしまった。
ううん、見てみぬフリしてきたの。気づきたくなくて。気づいたらダメな気がして。
私はいいこだから。いいこだよね。だから…だから…お願い…見逃して…。
仕方ないもんね。かわいそうだけど、特別な子だもんね。
ほんのすこし、怖かった。病が怖かった。死ぬのはもっと怖かった。
でもね。ちょっと安心しちゃったの。
どんな大変な思いも、いつか終わってくれるんだって、病は教えてくれたから。
どうしてこうなったんだっけ…穏やかな風をはこんでくれる窓を開ける。
カーテンはゆらりとお化けみたいに漂っている。
カラスが一羽。もう一羽。まるで我が家のような顔をしているのね。
「光くんのこと…ちょっと浅く見積り過ぎてたのかも…」
カァ、とカラスが鳴く。
「ふふ、どうしたの?私のこと、食べたい?」
いいよ、お腹すいているほうが、辛いもんね。
ぜんぶ、ぜんぶ、おいしく食べてね。私のぶんまで、生きてね。
………穏やかな時間が終わるのは、ほんの一瞬なのね………
残念。そんな感情を隠すこともせず、視線を床方向に落とす。
「救急車は呼ばないで!このまま死なせて…」
いいの、このままで。ううん、このままがいいの。
だって、こんなに、穏やかでいられるんだもの。私、きっと今が一番の幸せ者ね。
そんな意識は少年の、光くんの言葉で意識がふわりと持ち上がる。
「香織!!!」
…私、気分が沈み込んでいたことさえ気がつかなかったのね。
光くんの言葉はいつだって私を浮き足立たせてくれるから。
「死なないでくれ!!!」
私、私も、死にたく、ないよ。怖い。怖いけれど。
「もう、遅いと思う、かな…」
カラスはカァと鳴いて、黒い羽がバサバサと部屋中に舞った。
僕は必死で叫んでいた。
「死なないでくれ!!!」
香織おねえさんはあっちこっちから出血していた。
白血病って血が止まらなかったんじゃないか?
なぜ、香織お姉さんの部屋にカラスが入ってきたんだ?
部屋を見渡すと窓が開けられていた。
なぜ!?
とにかく、救急車を呼ばないと!
かすかに意識のあった香織おねさんは、
「救急車は呼ばないで!このまま死なせて。。。。」
そう言い終わると、香織お姉さんは意識を失った。
香織お姉さんの思いを尊重して一切の募金活動をやめるか。
それとも、治したいという僕の一方的な思いを優先するのか。
この募金を一人でやっているならすぐ決断できただろう。
迷惑は僕に降りかかるだけだから。
でも、この募金はみんなの力があって初めてできたことなのだ。
悩みに悩んで僕が出した結論。
秘密にしてきたという病気のことを、なぜ僕に打ち明けたのか。
それが分かれば、何かの進展につながるかもしれないという淡い望みを抱きつつ僕は未だ怒りが収まっていないであろう香織姉さんのもとを訪ねることにした。
コンコン。
ドアをノックしたが、返事がない。
代わりに、ガサガサ、グシャリ、という物音がする。
なにか嫌な予感がした僕は思い切ってドアを開いた。
中には、数羽のカラスに踏みにじられ、ついばまれている香織さんがいた。
人の命がかかってると、人はこんなにも優しくなれるのだろうか。
仲間も集まって、募金活動は順調だ。
ところが、香織お姉さんが、怒ってきた。。。。。
「病気のことは、内緒にしてたのに!」
「なんで、こんなことするの!?」
「みんなの同情の目が集まるなんて、私には、耐えられない!」
良かれと思ってしたことが裏目にでてしまった。
香織お姉さんの気持ち。。。。どうすれば、いいんだよ!
学校の友達、先生、両親、駅前、商店街、空港…廻るところはたくさんありそう…
もちろん募金箱持っているだけで募る額なんて大したことないと思う。
コンビニにどれだけ募金箱が置いてあっても、1円、5円、時折10円。それもほんのすこしだけ。
後もう少し、それがないと決定打に欠けるんだけど…「あとは情熱…かなぁ…」なんてね。
「みんなに、救われる命があることが、届けられますように…」
「大丈夫、大丈夫!こっちは俺らやっておくし?な?」「そうそう!行ってこいって!」
景気付けに叩かれた背中が痛い…
「ありがとう、行ってきます!」
◇
-学園長室にて-
ノリの利いたシャツを着ており、高級感あふれるスーツの男性がソファを勧める。
「どうぞ、かけたまえ」
「失礼します」
僕は留学について尋ねておくことにした。
「学園に入学より前に尋ねたいと聞いたのだが…まさか、留学制度についてとは、ね」
学園長は驚いたというよりは、肩の力がストンと抜けたかのように半分笑っている。
「知っての通り3カ国ある。2月末に〆切。
3月いっぱいを留学生として迎え入れてもらうホームステイ制度だね。
向こうの国は何処も9月が入学式でね。スプリングホリデーという訳だ。
しかしもちろん学園に入学したものであり、かつ、受験生ではないことが条件ではあるけれどね。」
ありがとうございます。そういって僕は学園長室を後にした。
期日はあと2週間とすこし…
「大丈夫、間に合わせる」そういう僕の声は、自分でもあきれるほど震えていた。
まず、僕は何をすればいい?
香織お姉さんに、留学を勧める?
留学ってどうやったら出来るんだよ!
費用だってかかる。
。。。。。いや、留学して治療を受ける。香織おねえさんだって、考えているはずだ。
まず、学校で留学のこと調べないと、
あとは、資金集めだ!
仲間を集めて募金を募ろう。
「白血病…なの…」
ぎゅう、と、握りしめた手が血が引いたように青白くなる。
栄養材でなんとか延命しているだけ…ドナーがいない珍しい型なんだもの…
ゆら、と、瞳が揺れる。私は、自分でも、泣き出したいんだか、怒りたいんだかわからないままだった。
「じゃあね、私、登校時間だから」
病院と学園と、目とはなの先ほどに近くにあるこの場所へ通うことには、難なく慣れた。
そう、慣れた。少年が慣れない素振りで戸惑ってみせるものだから。きっとそのせい。
「やっぱり、変な子ね…」
そんな声だけが、ふうわりとやわらかくて。少年は、満田光君は。
私の気持ちをほんのすこし、軽く浮き足立たせてくれるのかも。
「この感情に名前を付けたら、終わっちゃう気もするんだけどね…」
そう、ひとりごちた。
◇
〈少年視点〉
お姉さんが去った後の病院は、アルコールの香りが漂っては、死の香りがぶり返しそうで。
そしてまたアルコールの香りがひたすらに残っていた。
患者さんはたくさん居たのに。がやがやしていたのに。急に何も聞こえなくなったかのようだった。
そんななかで、先ほどのナースさんが肩をたたいて声を掛けて来た。
「…ほんとうは守秘義務があるから、あんまり口外はしないのだけれど、秘密、守れる?」
僕はとっさにうなずいた。
「実は海外では珍しくもない型なの。
正規ルートでの取り寄せは難しいのだけれど。もしかしたら、って希望を捨てきれないのよね…」
海外留学。とっさに思いつくにしては大それている。けれど確実なような気がした。
都合よく無欠席で今まで居たから、必要出席数は取れていると思う。
後はお姉さんの為にどこまで動けるか、だけな気がした。
「どこまでって…もう心は決まっているのにね」
ひたすらにカンカンカン…と鳴りしきる踏切を背に、僕は歩き出した。
今日も、香織お姉さんは病院のほうへ歩いて行った
僕は、学校へは行かず、香織お姉さんのあとをついていった。
香織お姉さんは毎朝、なにかの注射を打ってもらいに来ているようだった。
僕がいることに気が付いた、香織お姉さんは、びっくりしていた。
「心配して来てくれたんだ。」
「あのね、私の病気は(ここで余白使います。誰かうめてね。)なの。」
お姉さんはこういう冗談言える人じゃないから…そっか…ほんとうに終わっちゃうのかも。
喉の奥が枯れるように声が出ない。やっと絞り出すように
「あと、どのくらい、なの…?」
ぼんやりしているうちに、特別編成の電車。
踏切はもう一度、カンカンカン…と警鐘を鳴らしていた。
香織お姉さんは、しきりに首を横に振るばかりだった。
「…そろそろ学校でしょ? 行こっか」
「う、うん」
去り際にお姉さんは、ねぇ、と僕に問いかけた。
「神様って不公平だと思わない?私、遅刻したこともない、いいこでしょ?」
そう不器用に笑ってみせるお姉さんに、また心臓がぎゅっとした
「私、死ぬのかしら...」
実際、カラスが近くに多くいると、何かしらの生き物が近いうちに一生を終えるのだ。
まさか、昨日の?
まさかね。
「あのね、私、病気なの。」
「えっ?」
「満田光(みったひかる)です。」
彼女は
「覚えているわよ。」って言ってくれた。
「私は、相田香織(あいだかおり)よろしくね。」
雑踏をおしのけつつ彼女のそばへと向かう。ひとまず話かけないで、そっと隣に並んでみる。
僕よりスラッとした姿勢で凛としているように見えるけれど、
その瞳は何の感情も宿してはいないかのようにただ、遠くを見つめている。
カンカンカン…
なんだか、そうっとその警鐘を聞き馴染ませているみたい…
「…あれ?いつからいたの?」
変なの、と、くしゃりと笑う彼女に、どきりと心臓が跳ねた。
彼女の歩いて行く方向には、病院がある。
まさか、病気????
まさかね。
踏切で何を言われたか気になるが、遅刻の方が面倒くさそうだ。
24時間更新がなかったら、連続投稿ありにしましょう。o(^-^)o
歳がほんのすこし上なお姉さん。学業優秀な彼女に見合う為に、今まで頑張って合格したよっ!
カァッ
…カラス?
すこしよろけて、でもおなじくらい嬉しさが勝って
「あのね、僕、おなじ学園に春から通うことになったんだ」
…それでも、お姉さんは。驚いた顔をするばかりで覚えて、くれてなかった…
「…満田光(みったひかる)、春から通う新入生です。よろしくお願いします、先輩」
…今は、子ども扱いに甘んじる他ない、よね…?僕は僕自身の心にそう問うた。
少年はうつむいたままだが、頬から涙が流れている。
「そうしたらたまたま君にぶつかって。。。。。ごめん。」
「嘘!さっきだって何か言ってたじゃない。聞き取れなかったけど。」
「君、名前、なんていうの?!」
「今、押そうとした?したよね?殺人未遂で警察呼んでいい?」
少年に聞くことはできなかった。
電車が通り過ぎ踏みきりがあがった。
でも、私もその少年も踏切を渡ろうとはせず、
その場に立ちすくんでいた。
つぎの瞬間・・・・
踏切の音がやけに耳元に感じた。
「………え?」
ふと隣の少年の残念そうな顔をみつめる。
何か、聞き逃したような、そんな気がした。