4わる2
- 2024/08/05 02:33:38
一生懸命考えていた。
4わる2。4わる2。。
4わる、、2。。
彼、もしくは、彼女と呼べばよいのか、”それ”は、ずっとそのことを考えていたけど、まだ答えはわからなかった。
それにとって、時間というのはあまり意味を持たず、いや、時間というのは、そもそもそれには無くて、そして、「やめる」という行動もそれにはなかった。
ただ、「やめる」ではなく「おわる」はあった。
それはかたつむりである。
かたつむりは、人間でいうところの94時間も、「4割る2」を考えたが、結局答えは出ないままであった。
なぜかというと、かたつむりの思考というのは、人間のような論理が完全に欠如し、「まにゅりえんちぬい」を頼りに世界の全てを把握していたからだ。
人間の場合は、5感や論理的思考、あるいは感情などがあるが、かたつむりは2感(触覚、味覚)と「まにゅりえんちぬい」があった。
「まにゅりえんちぬい」とは何か?と人間に説明するのは不可能である。
なぜなら、それは思考でもなく、感覚ではあるが、言葉に置き換えられるものではないからだ。
そして、その「まにゅりえんちぬい」で考えていては「4割る2」の答えを出すことは不可能であったのだ。
いや、正しくは「考える」でも無かった。
それは感じるに近いものであった。
かたつむりは、94時間「4割る2」の答えを求めたが、これ以上は身の危険を感じていたため、そこで終わりにした。
それからそれは殻の中に閉じこもり、2日を過ごした。
春衣宗彦という主人の屋敷の庭の紫陽花の下であった。
ここでは春衣何某は、なんの意味も持たないので、彼、および、彼の家族についての記述は不要であり、あなたも考える必要は無い。
かたつむりは紫陽花の下で2日間休むと、「まにゅりえんちぬい」は完全に回復して、今日も元気にぬらぬらのろのろとデトリタス(有機物の分解物)を求めて春衣宅の庭内から旅に出るのだ。
ところで、あなたは道端でよくかたつむりの殻を見かけることがあるだろうか?
あれは、カラスやトンビなどに「まにゅりえんちぬい」を食べられてしまったかたつむりの残骸なのである。カラスに聞いたところ、「まにゅりえんちぬい」は甘くて美味しくて、そして便秘に効くので、よくメスのカラスが好んで食べるそうだ。
ところであの「4割る2」がわからなかったかたつむりは、今は、「美味しい葉っぱとそうでない葉っぱの違い」について「まにゅりえんちぬい」で考えている(感じている)そうだが、これもなかなか難しい問題のようだ。
「まにゅりえんちぬい」面白い言葉ですね。便秘に効くなら私も欲しいけど、カタツムリの一部と考えるとちょっと(笑)
色々想像をかきたてられるお話で面白かったです^^
何故《ぬりえ》ばかりヒットするのか考えていた。
気が付くと《えすかるご》になって
白い金縁の皿の上でも考えていた。
「まにゅりえんちぬい」ですか。