Nicotto Town


ストーリーテーラーの集まる小さなカフェ

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眠り

投稿者:せんちゃん

人生の9割は模倣もしくは習慣で出来ていると言ったのは誰だったろう。本当の意味の個性なんて、幻に過ぎないのではないかと年老いたこの頃は思うのだ。
いつもの習慣で濃い熱い珈琲とともにワッフルを咀嚼する。週に一度来てくれるヘルパーがすぐに食べられるものを冷蔵庫や冷凍庫にたくさん用意してくれているし、部屋も掃除ロボが指示した時間に掃除しておいてくれるので不自由はない。

車椅子も自分で動かさなくてもいくつかの場所はインプットしてあるのでスイッチ一つで連れて行ってくれる。それどころか、天気のいい日など車椅子が「お散歩に行きませんか」と提案してくれる。
ありがたいことだ。

習慣で朝食を摂りながらPCに向かい、おなじみさんとメッセージのやり取りをする。時には風光明媚な観光地を家にいながら眺めたりもする。

トイレではわたしの排泄物の一部が自動で検査センターに送られ健康状態のチェックがされているそうだ。結果、もっとたんぱく質を摂れだの繊維質が不足だのメッセージが届く。ここまでくると余計なお世話だ。

そして、ある日「そろそろ眠る時間です」というメッセージが届くのだ。もう目覚めなくていい眠りに。わたしは何の感慨もなく受け入れるつもりでいる。多分。

願わくはかつて愛した人や猫らと再会できたらと思うのだ。

アバター
2024/07/19 22:18
最後の文章がキー。なんか...
アバター
2024/06/29 12:08
うん。SF的。綴っている。いいね。



管理人
ケニー
副管理人
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参加
受付中
(今すぐ参加可能)
公開
全公開
カフェの利用
朝10時~夜24時
カテゴリ
自作小説
メンバー数
12人/最大100人
設立日
2024年02月18日

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