Nicotto Town ニコッとタウン

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モリバランノスケ

生きるとは~~~三

私は、二年間の暖かく深い愛に、感謝の気持を述べた。勿論、ユージンが通訳してくれた。しかし、彼がいかに私の気持ちを汲み取って表現してくれたにしても、心底の気持ちは伝わっていないのではないか、という無念さが残る。それは、ユージンに対してもある。何故なら、自分自身に、感謝の気持を全てし尽くしたかと問えば、...


生きるとは「2」

続いて発生した台風に、行く手をはまばれたばかりでなく、高波にさらわれて、船は無惨にも転覆してしまう。乗船していたほとんどの人たちは、助けを求める叫び声を発しながら、船もろとも海の底に沈んでいった。私を加えた五人が、海に投げ出されたが、とっさに流木にしがみつき、大きな波のうねりの中を、流されていった。...


生きるとは


第三章 相模
第一節 芦名郷
時は、文明二年「1470年」元旦である。
常和は、今、浜辺の磯に立たづむ。そして、眼の前に広がる大海原を、少し目を細めて見渡している。無風の中、空には雲一つなく、どこまでま晴れ渡り、渾然一体となったような空気が、穏やかさを演出している。静かだ。寄せては返す波の音だけが...


椰子の実


名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実一つ
ふるさとの岸を離れてなれはそも波に幾月
旧の樹は生ひや茂れる枝はなほ影をやなせる
われもまた渚に枕独り身の浮寝の旅ぞ
実をとりて胸にあつれば新たなり流離の憂い
海の日の沈むを見れば激り落つ異郷の涙
思いやる八重のしおじおいづれの日にか国に帰らん
島崎藤村


短歌



白鳥はかなしからずや空の青海のあおにも染まずただよ幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆくけうもまた心の鐘を打ち鳴らし打ち鳴らしつつあくがれて行く
若山牧水

東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたわむるいのちなき砂のかなしさよさらさらと握れば指のあいだより落つ友がみなわれよりえ...





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