『精霊の世界、星の記憶』 第4話「空気の精霊」①
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/03/08 23:55:59
第一章 シリンダの森
「空気の精霊」
星史はシルビアの言葉に、ふと現実に戻った。突然この世界に来てしまい、人間の世界から姿を消してしまった自分を心配する両親のことを思い浮かべた。けれど、ここに来てしまっている以上考えても仕方ないと思った。「……うん、そう...
第一章 シリンダの森
「空気の精霊」
星史はシルビアの言葉に、ふと現実に戻った。突然この世界に来てしまい、人間の世界から姿を消してしまった自分を心配する両親のことを思い浮かべた。けれど、ここに来てしまっている以上考えても仕方ないと思った。「……うん、そう...
第一章 シリンダの森
「老樹」
老樹に触れた星史の手は、温かいものを感じた。「セイジ」という声が微かに聞こえてきたが、空耳かもしれないと星史は思った。が、しかし、「セイジ……」と呼ぶ低い声のようなものが、耳にではなく直接頭に響いてきているのに気がついた。「何か、変&...
第一章 シリンダの森
「森の精霊」
少年はまだ夢を見ているかのように、ぼぉーっと周りの景色を見回した。焦点の合わない目で、大きな大木を見上げた。――そういえば、大きな樹の夢を見ていた。樹が何か言っていたっけ……。目が覚めたと思ったんだけど、まだ夢の中なのかな?と思いな...
第一章 シリンダの森
「出会い」
朝のやわらかく淡い光が、すぅーっと木々の間から伸びてくる。朝一番のさわやかな風が吹き抜けて行き、森を目覚めさせていく。ザワザワザワ……、濃い緑が、森が起きていく音がする。その音を聞いて、眠っていた精霊たちは目を覚ます。そして、小...
チェロの宇宙
J.S.バッハ 「無伴奏チェロ組曲」 第一楽章 ト長調《プレリュード》 ―― チェリストのバイブル
チェロの深い響きが 次々と惑星たちを 天体を呼び込んでいく 大らかで遥かなる 大...